ULTRASONE Edition8 EX用 RME ADI-2 Pro バランス接続ケーブル、及びMMCX変換ケーブル Mogami2534

ULTRASONE Edition8 EXをRME ADI-2 Proでバランス接続する為のケーブル、及び同ヘッドホンをMMCXケーブルで接続する為の変換ケーブル製作のご依頼をいただきました。

まずEdition8 EXというヘッドホンについて、Edition8のシリーズは2009年の発売より数種の派生モデルが発売されています。そんな中、今回S-Logic EXを搭載して同ヘッドホンが発売されました。
Edition8のふわりと柔らかい外観は維持しながらもアーム部分に角の取れた角型のデザインが採用されていたり、S-Logic EXが搭載されていたり、Edition8のシリーズには当たるのかもしれませんが随所にブラッシュアップが見られ、ほぼ別シリーズ?のような感じですが・・それでもEdition8、ULTRASONEには8の字に何やら思い入れがあるのかもしれませんね。

Edition8 EXの特徴は色々ありますが、今回同社としても初めてLEMOコネクタでの接続が採用されました。LEMOはスイスに本社を置くコネクタメーカーで、医療・産業用をはじめ高品質なコネクタを製造しています。
ヘッドホンではあまり採用事例がありませんが、例えばLEMO風のSENNHEISER HD800や、純正LEMOのAKG K812/K872など高級機種には特に使用されており、今回Edition8 EXに採用されたのも分かるような気がします。

今回製作しましたケーブルは、これまた最近発売されたRMEのヘッドホンアンプ搭載AD/DAコンバーター兼USB DACである、ADI-2 Proのバランス出力で使用する為のケーブルで、アンプ側プラグは6.3mmTRSx2の構成になっています。
ADI-2 ProはRMEの高品質な回路で構成されたヘッドホンアンプが搭載されており、バランス出力にも対応しています。6.3mmTRSを2本使用するデュアルモノラルスタイルはTEAC UD-503とアサインが同じでケーブルの使いまわしも可能ですね。

線材は「低域よりで輪郭が出るケーブルが希望」とのご要望を頂きましたので、私からはMogami2534をお薦めさせていただきました。古くからヘッドホン用に転用され実績のある線材で、懐の深い低域、解像度は高く音の分離が良く、また艶の乗った中・高域が特徴の線材です。使用するLEMOプラグは00番の最も小さいサイズのものですが、Mogami2534の4芯の内2芯はギリギリ入るものでした。
LEMO 00番プラグの半田付けは、プラグの半田付けの中でも1・2を争う細かさです。Mogami2534の比較的太い線材はかなりギリギリでしたがなんとか取り付けができました。
ケーブル外装はナイロン編組チューブ仕上げとし、色はコヨーテブラウンを選ばれました。Edition8 EXはクロームメッキのイヤーカップ、ダークグレーのヘッドバンドとイヤーパッドが採用され、色が有りません。ここにコヨーテブラウンを入れるのは少し勇気が要るかもしれませんが、落ち着いた色ですので使われる際もあまり気にならず使っていただけると思います。

ヘッドホン側プラグは先述のようにLEMOの00番プラグを使用しています。プラグの単価は高いですが接点容量もこのサイズながら5Aが確保されており、淀み無く電流を流す事ができます。
LEMOプラグは簡便なプッシュプル式のロック機構が備わっていますが、ハイエンドヘッドホンにはMMCXなどではなく、回転せずにきちんとロックのかかる接続形式が合いますね。
ケーブル製作の際は、使用する線材がMogami2534と若干太目な事、編組チューブ仕上げとした事からねじれにくい事もあり、ケーブルを捻じったりせずに接続していただけるようにきちんとプラグの向きを合わせて製作しています。

アンプ側プラグはドイツViablueのT6sを使用しました。銅製軸に厚いK24金メッキで腰の低い音、これはお求めの音質に合致していると考えた為です。

 

また同時に、MMCX変換ケーブル製作のご依頼もいただきました。

Edition8にはMMCX接続のモデルも有りますが、Edition8 EXでLEMOプラグに変わってしまいましたので、このような変換ケーブルが有ると資産の有効活用が可能になります。

HD800用としてMMCXやCIEM2ピンの変換プラグアダプタも製作可能ですので、これらでも変換する事自体は可能です。ただ、純正LEMOプラグよりも大きいHD800専用プラグと、さらにそこに刺さるMMCXプラグのサイズがイヤーカップ下部より出る事になってしまい、使い辛くなる事が予想されましたので今回は短いケーブル付きの、変換ケーブルをお薦めさせていただきました。

線材はお任せいただきましたので、こちらもMogami2534を使用、編組チューブ仕上げとしています。変換ケーブルには左右の区別は有りませんので、識別は特に設けていません。

MMCXは回転する特徴がありますが、使用中に回転する事で接点が擦れて雑音が入る事が有ります。E4UAではMMCXプラグの過回転防止機構を収縮チューブによる細工で、このような変換ケーブルの場合には(MMCXジャックを収縮チューブ仕上げとする場合)、全てのものに組み込んでいます。
SHURE掛けなどができないヘッドホン用ケーブルでMMCXを使用する場合、太目のケーブルをお使いの際には首の回転がモロにケーブルに入力されてしまいMMCXプラグがその回転を流してしまうのですが、ほんの少しでも滑り止めを入れてやる事で接続の安定性が生まれ、高音質を維持できるようになります。

 

ありがとうございました。

 

 

ULTRASONE Edition8 EX用 RME ADI-2 Pro バランス接続ケーブル 150cm
ヘッドホン側分岐長30cm
アンプ側分岐長20cm
線材:Mogami2534
外装:ナイロン編組チューブ コヨーテブラウン
ヘッドホン側:Lemo FGG.00.302.CLAD27
アンプ側:6.3mmTRS Viablue T6s x2
商品代 31440円 (価格は製作当時のものです)

ULTRASONE Edition8 EX MMCX変換ケーブル 3cm
線材:Mogami2534
外装:ナイロン編組チューブ ブラック
ヘッドホン側:Lemo FGG.00.302.CLAD27
アンプ側:MMCXジャック 収縮チューブ仕上げ
商品代 20520円 (価格は製作当時のものです)