AKG K701 両出しデタッチャブル化 (3.5mm3極 SONYアサイン)

K701(2006年)はK702(2010年)が出てからも売られ続けている、息の長いヘッドホンですね。
それだけこのヘッドホンのファンが多く、またAKGもその事が分かっているのでしょう。
過去にはMiniXLRによる片出しデタッチャブル化LEMO 0B番による両出しデタッチャブル化は行っており、今もごく稀に同様のご依頼をいただいています。

今回はそのK701を3.5mm3極両出しでデタッチャブル化、純正ケーブルも分岐部作ってそのまま使用可能にするご依頼をいただきました。

基本的な製作手順としては同じですが、E4UAではフルオーダーでの製作を行っており、設計図などはほぼ存在せず全て私の頭の中で組み立てを行って、造形しています。
この為、製作の都度、使用する部品は変わりますし、完成度も上がっていきます。
最近は3.5mm3極ジャックにはオヤイデのJ-3.5SRを使用する事が多くなっており、MDR-CD900STの両出し化に使用したりしていますが、このK701にもJ-3.5SRを搭載しました。

J-3.5SRは名前の通りシルバーロジウムメッキがされた接点を持つ、オーディオグレードの3.5mm3極ジャックです。
オヤイデの部品の中でもかなり古くから有るようですが、基本設計がしっかりしていて音質の面でも有利な事が多いですね。
TipとRingの接点は十分な接点圧が保たれており、またGNDはコイル接点が設けられており、きちんと接触させる意気込みを感じる設計になっています。
金属のボディは他のオヤイデのプラグと同じくベリクロムメッキが施されており、見た目の面でも良いものである事が分かります。
今回はその金属ボディをヘッドホンの中に埋め込み、周囲をアクリルによる造形で固化しました。

また純正ケーブルは分岐部を作り、そのまま再使用が可能なようにしています。
分岐部は依頼者様からの「純正ケーブル然としてほしい」とのご要望により、グレーの収縮チューブを使用し、ワンポイントで分岐部のみホワイトの収縮チューブを使用しました。
プラグはヘッドホン側はオヤイデのP-3.5AP、アンプ側はP-4.4/5Gを使用しました。
P-3.5APはオヤイデの最新の3.5mm3極プラグで24K&パラジウムメッキが施されたプラグです。
またP-4.4/5Gはついこの間発売された、まさに最新の4.4mm5極プラグで、金メッキの質が今までのものより良くなっているようです。

“P-3.5APは濃密な中低域に、滑らかな高域。個々の楽器の奥行き感がより明確に描き出され、ボーカルの艶やかさが美麗に引き立ちます。” 
”P-4.4/5Gは従来の金メッキを凌駕する厚肉24K金メッキを獲得しました。”
(オヤイデ電気ページより引用)

依頼者さまはヘッドホンアンプにP-750uLをお使いとの事で、シングルエンドでの駆動ではK701でも超低域まで再生可能な事を実感されており、特に低域を盛ってやるようなケーブルは考えておられなかったそうですが、ボーカル帯が濃密で滑らかな高域・・という文言を見て、ヘッドホン側プラグはP-3.5APにされました。
アンプ側は特に考えておられなかったそうですが、同じオヤイデのプラグで纏めると雰囲気も良いと思います・・とお伝えし、P-4.4/5Gの採用となったものです。

内部配線にはこちらもオヤイデの4N純銀撚り線を使用しました。
この4N純銀撚り線をお勧めしました所、純銀のイメージから低域が締まって高域が伸びるようなイメージを抱かれていたようですが、K701の長所をさらに伸ばせると考えている事をお話しし、こちらの採用となりました。

ご感想をいただきました。

感想ですが、、、

聴き込んで数時間しか経ってませんが、、、

結論が出てしまいました。

バランス化することでK701オリジナルが持つ、広い音場、伸びのある高音域に加え、低音増強+音色のダイレクト感が追加されてかなり良いです。
良さは増えるが、失うものが何もない。
完全にK701アップグレード、言うなれば、E701でしょうか。

最高です。 

E4UA Mod. という事でE701のお名前を頂戴しました!
P-750uLという高級ヘッドホンアンプをお持ちだからこそ鳴らせた音なのかもしれませんが、それでも、シングルエンドの時から何も失わずブラッシュアップできたのは嬉しいですね・・
汎用性のある3.5mm3極でのデタッチャブル化ですので、既に純正ケーブルでご満足いただいているようですが市販の多くのケーブルが流用可能な設計になっています。
まだまだ、聞こえなかった音が聞こえてくる可能性も秘めていますね・・

ありがとうございました。