audio-technica ATH-W1000 HD800式による両出しデタッチャブル化 及び専用ケーブルの製作 Mogami2534 デザートカモ *Numberd

ATH-W1000をHD800式によりデタッチャブル化、及び専用ケーブル製作のご依頼をいただきました。

最近もaudio-technicaはウッドハウジングがよく出ていますが、こちらのヘッドホンはアサダ桜の削りだしハウジング、ウイングサポートで装用感が軽快なモデルですね。
ご依頼いただいた方からは・・
ATH-W1000はきれいな音でいいのですが、高音が刺さることが難点で、もう少し低音がぼわっとでも出てきても良いかなと
という、リケーブルで向けられたい方向性を伺っており、線材のチョイスをお任せいただきました。

お薦めしました線材は、低域をもう少し前面に出されたい、また解像度よりウォームな感じに向けられたいとの事でしたので、やはりMogami2534でした。
Mogami2534はかなり昔から、ヘッドホンのリケーブル用線材として使用されています。
それもE4UAができる前から、日本のみならず海外でもよく使用(転用)されていました。主にSENNHEISERのヘッドホンに使用される事が多かったのですが、これは単にSENNHEISERのヘッドホンはリケーブル可能なモデルが多かったからだとは思いますが、HD650とMogami2534の組み合わせは王道パターンだと思います。

また今回デタッチャブル化はHD800式をチョイスされました。
これは、既にHD800sをお持ちである事、また他のaudio-technicaのケーブル直付けタイプのヘッドホンもできればHD800式でデタッチャブル化される事を想定しての判断でしたが、このLEMO似のプラグはLEMOのようなラッチロックではなく、ただのプッシュプルロック(引っ張れば抜ける)な為、ヘッドホン用の接続形式としてはより安全で、LEMOよりお薦めできるもの・・ともお伝えしました。

ATH-W1000は元々は片出しタイプのヘッドホンです。ですがマグネシウムフレームの、ケーブル出口と反対側フレームには、ケーブル出口が有ったかのようなパーティングラインが残っています。今回はこの位置に穴をあけ、HD800式レセプタクル(メス側)を配置しました。
サイズ的にもHD800式レセプタクルはケーブル穴に丁度のサイズで、ぱっと見は元からそこにあったかのような感じで改修ができました。

 

専用としていますが、プラグはHD800式(TypeD)を使用しておりHD800sやHD820にもそのままお使いいただけるものです。

アンプ側は高品質なXLR4極プラグでNEUTRIK製 NC4MX-HDを使用しています。
こちらのプラグは本来は防水仕様でオーディオ用という訳ではないのですが、ステンレスと鋳造パーツでできており、E4UAで使用実績の多いNC4MXX-B(XXシリーズ)よりも重量があります。
重量のあるプラグは制振効果が高く、また今回はヘッドホン側プラグはシルバーですのでこれとの雰囲気的な相性も良いと考え、お勧めさせていただきました。

 

ご感想をいただきました。

このたびは製作ありがとうございます。
先ほど実家に行って作品を受け取ってきました。
写真からも十分な仕上がり具合を感じたところですが、
実物を見るとさらにいい仕上げですね。十分です。
わたしは、「E4UAさんなら仕上げも見た目も問題なくできて当たり前」
という認識でいます。だからこそ製作依頼をお願いするわけですが、
それを成し遂げるにはとても大変な高い技術と時間を有するのだろうと、
感心しているところです。益々のレベルアップを期待しております。

さて、待ちきれずに、早速、何曲か試し聴きをしてみました。

HA-FX1100用ケーブルについては、第1インプレッションは、
純正バランスケーブルとさほど差異は感じられません。
使い勝手はとてもいいですね。
まずは、いましばしエイジングをしてからあらためてご連絡いたします。

それより、ATH-W1000です。
こちらにはとても驚かされました。
上古代様からのメールにもあったとおり、相当聴きやすくなっております。
中音域の空気感が増したのをはじめ、
このヘッドフォン特有の高音の強さやきれいさが良い面に化けてくれて、
弦楽器の特にヴァイオリンがとてもきれいに響くようになりました。
小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラの一連の弦楽器の響きがとても魅力的に、
愛らしい響きを奏でてくれます。
このヘッドホンを購入して以来およそ10年、ほぼお蔵入り状態だったのですが、
ようやく仲間入りしてくれそうな感じです。これからのエイジングが楽しみです。

加えて、このケーブルをゼンハイザー800sにつないだところ、
こちらにも相当驚かされました。純正ケーブルとはこうも違うものかと。
純正のバランスケーブルは整理整頓された整然さがあり、
会場の空気感や響きはあまり感じないところでしたが、
今回のケーブルでは、よりリスニング向けに化けてくれています。
オーケストラの音の厚みが実演に近い形に表現できているような感じです。
これはこれで、とんでもないケーブルです。

第1インプレッションは、先のmogami2799より、
こちらのMogami2534の方がわたしの好みなのかもしれません。
ケーブルって面白いですね。

HA-FX1100用ケーブルは、Mogami2526を四つ編みで同時に製作させていただいたのですが、ATH-W1000の変わりように驚かれています。
実際私も製作が完了してテストを行いましたが、記憶の中にある改修前の音と比べて、かなり変わった印象でした。
audio-technicaのヘッドホンは低域は硬く高域が伸びる印象を持っていますが、これが高次元で中和され、とても聴きやすい音ながら写実的で、本当に「こうも変わるのか」というのが印象でした。
仕上がりにもご満足いただけましたようですし、なによりでした。

ありがとうございました。

 

ヘッドホン改修 HD800式による両出しデタッチャブル化
ヘッドホン:audio-technica ATH-W1000 持ち込み
レセプタクル:HD800式
商品代 19000円 (価格は製作当時のものです)

デタッチャブル化 ATH-W1000用ケーブル 150cm
分岐長35cm
E4プレート・シリアルナンバー有
線材:Mogami2534
外装:ナイロン編組チューブ  (デザートカモ)
ヘッドホン側:HD800式プラグ TypeD
アンプ側:XLR4極 NEUTRIK NC4MX-HD
商品代 26740円 (価格は製作当時のものです)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です