SMDオペアンプLT1468-2のDIP化 及び Dr.KSK謹製バッファ付きオペアンプ基板の製作(LT1469-2)
以前、HP-A4BL改修やDigiFi22HPA改修のご依頼をいただきました方よりSMDオペアンプのDIP8ピン化のご依頼をいただきました。
使用したオペアンプはLinear TechnologyのLT1468-2(SOP)で、これはシングル回路のオペアンプですが、デュアル変換基板に乗せ、IC足を取り付けたものです。
大抵のSMDオペアンプはDIP化する事で交換が容易になりますので、オペアンプローリングがさらに楽しくなりますね。
また今回は個人的な趣味でDr.KSKさんが作られたバッファ付きオペアンプ基板を同時に製作しました。
この基板、DIP8ピンのサイズの中にSMD(SOPもしくはSSOP)タイプのデュアルオペアンプ1個、NPNトランジスタ4個、PNPトランジスタ4個、抵抗6個が押し込まれています。キチクロZほどではないですが、なかなか密度の高い基板で製作は楽しかったです。
使用したトランジスタは
ON Semiconductor MCH3245-TL-E & MCH3145-TL-E
抵抗器は
YAEGO RT0603BRB072KL 2KΩ 0.1% ±10ppm
YAEGO RT0805BRB07100RL 100Ω 0.1% ±10ppm
です。
トランジスタは普及品を使用しましたが、抵抗器はオペアンプの排熱で熱される事も考え、0.1%の高精度で温度係数も±10ppmの選別品を使用しています。
SMD部品の交換は基本的にはできず、また抵抗器も1つの単価ではそれほど高価なものでもないので、良いものを最初から入れておきました。
これら2つのオペアンプは、LT1468-2は製作のご依頼をいただいたものですがバッファ付きLT1469-2は使ってみたいからという個人的な趣味でしたが、LT-1468-2のDIP化をご注文いただいた方に同梱して発送し、試聴していただきました。
お写真とご感想をいただいています。
まずは、HP-A4BLのオペアンプとして、LT1468-2両面とLT1469-2
(バッファ有)を比較しました。いずれも超高解像で反応も良好。
ボリュームを上げても歪みはなく、I/V変換用として申し分ありま
せんが、双方の差はほぼないとの認識でした。
そこで、バッファ用にLT1469-2を用いたところ、1音1音の分離や
迫力がMUSES01よりも明確になり、自分好みの音質になりました。
LT1468-2はバッファ用としてはフラットでややドライな印象でした。
5つのオペアンプの組合せは、選択肢が広くなりすぎるデメリットが
ありますが、LT1469-2との出会いにより、現時点で最良の組合せを
見つけることができました。
DigiFi No.22付録は先日モンスター級に全面改造いただき、その後
アルミケース購入を機に、XLR-2.5mm4極変換ケーブル製作をお願い
しました。BELDENらしいキレのいい音質を堪能できています。
なお、No.22付録のオペアンプ(入力ミキサーIC直後)を、OPA627
から前述のLT1469-2(バッファ有)に交換してみたところ、
「鳥肌感」がさらに増すうれしい誤算が生まれました。
当初は、No.22付録モンスター版がHP-A4BLを凌駕しましたが、
これまでの改造等で甲乙付け難いレベルに昇華しました。
広大なステージでのライブ感はモンスター版で、耳元で囁くような
スタジオ感はHP-A4BLで使い分けようと思います。
HP-A4BLのバッファ用に、バッファ付きオペアンプを使うという・・ダブルバッファ?な使い方を発見していただけましたね・・
これ、私は思いつきませんでした(自作HPAのオペアンプローリングしてました)
かなり良い場所を見つけていただけましたね。
基板の上に基板が乗っているのを見ると、昔PC-98の頃ODPで遊んでいたのを思い出しました(笑
またDigiFi22HPAのミキサーIC直後のオペアンプは、オペアンプをドライブする為のものですがここもバッファ付きの恩恵があったようです。
左右で1セット・・という使い方ではなく、それぞれで良い居場所を見つけていただいたようですね。
ありがとうございました。