SONY MDR-1A用ケーブル 4N純銀単線丸四つ編み 120cm ”001”

SONY MDR-1A用ケーブル製作のご依頼をいただきました。 P1050368P1050370

今回は4N純銀単線での製作です。この線材はE4UAの標準在庫ではありませんので、これらの発注にかかる手数料を別途ご負担いただきました。
MDR-1Aは純正で銀メッキOFC線が使われており、ご依頼いただいた方も銀メッキか銀単線を標準として考えておられたようで、E4UAでは銀メッキ線はBelden1804Aのみの選択となる事をお伝えした所、銀単線を注文しこれで製作するということになりました。
ジャケットとしてスミチューブVを使用しました。高透明な収縮チューブで収縮率はあまり高くないのですが収縮後も柔らかめでタッチノイズも少なく、ヘッドホン用ケーブルのジャケットとして線材を魅せる構成にされたい場合には良いかもしれません。今回の構成では透明と青の丸四つ編み銀単線が透けて見えるので、涼しげでキャッチーな良い感じのケーブルになりました。
ヘッドホン側プラグはMDR-1A(他AH-MM400なども)対応の長い段付き3.5mm4極プラグでGND分離配線とし、アンプ側プラグは雰囲気のよく似た3.5mm3極L型オヤイデ P-3.5GLとしました。 今回初めての試みとして、お客様からご提案いただいたものですが製作にあたり「銘を入れてくれ」とのご依頼をいただきました。E4UAの製作物をFC2の頃からご覧いただき、それら1点1点を「作品」とまで言っていただきました。その上でぱっと見自作ケーブルなのを、きちんと”E4UA謹製”である事をアピールされたいとの事で考えてみました。
プラグや分岐部にロゴステッカーなどを貼付し透明の収縮チューブで保護したり、収縮チューブそのものに印刷するのが一番簡単ではあるのですが、これは既にたくさんの先人がやられている方法です。このような方法でも良かったのですが、何か少し変わった事をしておきたい気になり”銅板へ刻印”を考えました。刻印は極小のものが今は比較的安価で入手できます。極小の文字ならプラグへの刻印などもしやすそうです。今回はこの銘板をヘッドホン側プラグから6cmほどの所へ3桁のシリアルナンバーと共に収縮チューブで固定しました。極小の銅板ですので使用にあたっては曲がりにくいなども殆ど無くストレスフリーで使っていただけると思います。 シリアルナンバーはblog掲載時にタイトル最後尾に記載します。3桁ですが同じ番号がかぶらないように考えています。今回はご提案いただいた一番最初の作品ですので”001”を冠させていただきました。

SONY MDR-1A用ケーブル 125cmより丸四つ編み 仕上がり120cm  
 線材:オヤイデ 0.5mm 4N純銀単線 756円/m x6.0 4536円 (青3m 透明3m)
 外装:スミチューブV 4mm 194円/m x1.2 232円
 ヘッドホン側:3.5mm4極 長い段付きプラグ 500円
 アンプ側:3.5mm3極L型 オヤイデ P-3.5GL 690円
 その他:収縮チューブなど 100円
  部品代合計 6058円
  製作費 x2.5 8340円 (4N純銀単線を1.2m使用 378円/mとして換算)
  部品入手手数料 750円
商品代 15148円

 

装着されたお写真とご感想もいただきました。 DSC0037長文になってしまいましたが、作品の使用感を述べたいと思います。
ただ本来ならこのケーブルの用途に合わせて音出しにはWalkman A10を用いて述べるべきですが、一聴してA10ではケーブル本来の力を出し切れてないと判断したため、駄耳ではありますがPHA-3を音出しにして能力を探ってみました。
素材の傾向やら理論やらは気にせず完全に聴感のみに頼った聴き比べの感想となります。

まず標準ケーブル(銀コートOFC)との比較ですが、高中低音バランスはそのままに分離が向上し、音の輪郭がクッキリしたことで見晴らしが良くなり、他の音の影に隠れていた音まで聴き取れるようになりました。
低音の量感が減るかと心配してましたが変わりなく、引き締まった良質のものになりました。
次に、比べるべきではないかも知れませんが純正バランスケーブル(MUC-S20BL1)との比較です。
こちらは流石に定位が良く、ヴォーカルの声にはビシッと芯があり、音の一つ一つがボリューム感に溢れ、横方向のステレオ感も強いといった差がありました。
これはケーブルの質ではなく、完全にBTLという構造的な違いに依るものと思いますが、やはり一段上の音質と言えます。 ただし、非バランスの銀ケーブルの方が何故か上下の音場は広く、また解像感もありました。
じっくり聴き較べてみると純正バランスケーブルは上下の狭い楕円の音場で若干団子。ビシッと定位はしていますが、全ての音が主張している感じでどこか繊細さに欠け、銀と比べると高音も少し詰まり気味に思えます。

対して銀ケーブルは円形に近く見晴らしの良い音場で、ヴォーカルの定位感は2歩程譲りますが高音は良く伸びていて音に繊細さも感じました。
MDR-1Aのバランス接続を初めて聴いた時に、定位の良さは感じるもののMDR-Z7&KIMBERの時と違い、何故かそれほど感動しなかった理由がなんとなく判った気がしました。

メッキではない銀単線で素線が太い事による低域の出やすさと、銀そのものの煌き、テフロン系被覆で伝導の邪魔をしない事が合わさった結果でしょうか。大変良いベクトルでの変化を感じていただけたようです。

ありがとうございました。

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