FOSTEX TH900 CIEM2ピンデタッチャブル化、純正ケーブル和柄化改造
FOSTEX TH900のデタッチャブル化、及び純正ケーブルを再利用してXLRバランス化&和柄化のご依頼をいただきました。
FOSTEX TH900は漆の表情が最高に綺麗なヘッドホンですね。beyerdynamic T1を凌ぐ1.5テスラのドライバーと専用設計のケーブルなど、トータルでのバランスを考えられて作られた、まさにフラグシップモデルです。
今回はこのフラグシップヘッドホンを、0.78mmカスタムIEM用プラグでデタッチャブル化、純正線は途中より切断しXLR3極x2でバランス接続化、布巻きの被覆を剥いて和柄チューブに入れて再被覆化のご依頼でした。
ヘッドホン本体のデタッチャブル化は、2.5mmや3.5mmのジャックは入るスペースが有りません。このCIEM用0.78mmのジャックか、MMCXジャックぐらいしか入らないぐらいの小さなスペースにジャックパーツを押し込む必要がありました。CIEM用プラグは軸の擦れのみで保持していますので、プラグの抜き挿しに少し力が要ります。この摩擦の力にきちんと耐えられるように、ヘッドホンのフレームにジャックパーツが入るサイズにまで、きっちり削ってエポキシでがっちり固定してあります。
依頼者さまの指定により、内部の配線はオーグラインでリケーブルしました。純正線を抜き出して使用しても良かったのですが、オーグラインの響きがお好きとの事で、ここのみリケーブルしてあります。
純正ケーブルは分岐長は変わらず、ストレート部を100cm、アンプ側分岐長を25cmとして(アンプ側)分岐を再形成しました。外装チューブは純正状態の編組チューブを全て切除し、新しく和柄ちりめんチューブに通した仕様です。
少し古いですがこちらの記事をお読みになって、和柄(それも当方の標準在庫ではない花鹿の子柄)のちりめんチューブを甚く気に入られ、最初からこの柄をご指定でした。ストレート部・分岐部とも太さの違うものを用意し、だぶつかないようにしています。標準在庫ではうずまき柄のものを3色在庫していますが、このようにお好みの柄がもしあれば入手する事も可能(かもしれません)。かもしれないというのは、柄物は店頭在庫が流動的で、在庫が無い事もあるからです。ですが少しお待ちいただければ大抵のものは入手可能ですのでお急ぎでない場合は問題有りません。
ヘッドホン側プラグはCIEM用0.78mmヘッドホン側埋まり込みの2ピンプラグです。プラグボディには約3.5mm程度の穴が開いていますが、純正ケーブル(の編組チューブを剥いて再被覆したもの)ではぎりぎりの太さでした。写真を撮ってからの変更でしたが、プラグボディからケーブルに1cmほどかかるぐらいに、透明の収縮チューブをつけてケーブルブーツとしてお渡ししました。プラグボディがアルミ削り出しでケーブルが急峻に曲がってしまう為、断線予防の処理です。
アンプ側は純正ケーブルを30cmほど剥いてL/Rに分けて収縮チューブで再被覆し、ちりめんチューブに通してNEUTRIK NC3MXX-Bを取り付けました。
ありがとうございました。