Focal Utopia, Tago Studio T3-01, AKG N5005, UE IPX(T2) MMCX変換アダプタ

E4UAは変換アダプタの製作のご依頼をいただく事が多いです。

今回はタイトルの4種類のヘッドホン・イヤホンをMMCXやA2DC、CIEM2ピンに変換するプラグアダプタについて記述してみます。

 

まずはこちら、Focal UtopiaをMMCX・A2DC・CIEM2ピンで使用する為のプラグアダプタです。
現在は、過去に製作したものより、各段に短く製作できるようになっています。
Topにある画像が、一番最初に製作したものでMMCXからの変換ですね。

FocalのUtopiaはLEMOプラグのケーブル着脱式となっています。プラグは0B番という、(HD800やEdition8EX等と比べて)少し大きいものが使われており、接点の容量、耐久性などがよく考えられています。
ですがこのLEMO 0B番が使われたケーブルはほぼUtopa専用であり、ケーブルは高価です。
これを、他の形式に変換してやると市販の多くのケーブルがそのままお使いいただけるようになります。estronなどで超軽量にするのも良いかもしれませんし、今でしたらUSB(C)やLightningのMMCXケーブルも売っていますので、マイク付きでスマートフォンに接続するのとかも楽しいかもしれません。

 

Tago Studioという群馬県にあるスタジオが、TOKUMIというOEM生産を行う会社と出会い、生まれたヘッドホンがT3-01ですね。
純国産ヘッドホンの中では高級価格帯ですが、音を聞いてみると納得できると思います。それほどまでに音の部分では完成されたヘッドホンだと思います。
純正のケーブルについているプラグはよくある射出形成プラグですが、AECアルミボディのプラグがそのまま使用可能です。
ヘッドホン側のアサインはちょっと変態的で先端からHot,NC,Coldというものになっています(HE1000と同じかな)。
交換用ケーブルの市場が全く無いヘッドホンですので、リケーブルで楽しむ事も難しいものです。
これを他の形式に変換する事で、市場にある数多くのケーブルの音を聞いてみる事ができるようになります。

 

こちらはAKG N5005用のMMCX変換アダプタです。
N5005はMMCXが使われていますが、少し細く奥まった位置にMMCXジャック(メス側)が有るので、多くのMMCXケーブルを受け付けないものになっています。
上の写真は、市販の多くの通常のMMCXプラグでお使いいただけるようにするもので、長さ(MMCXで嵌まり込む部分を除く)が約10mm、角度は約10度になっています。
イヤホンを耳に装着された写真を見せていただいた所、純正のケーブルは既に耳輪脚に少し接触しているぐらいでした。ここに60度等の角度の付いた変換アダプタを使用すると、耳からケーブルが外れてしまう事になります。
10度というのはマイナス角度にしてMMCXジャックを水平に近くする為に考えた角度で、これぐらいにしておけば市販の殆どのケーブルが使えるようになるだろうと考えたものです。
右(下)側の写真は2020年7月現在で最短形状で製作したもので、ストレート形状です。
常に最短(もしくは使いやすい形状)を狙って製作しています。

 

MMCXプラグをUEのIPXプラグに変換するものもあります。

IPXプラグはestron T2の派生プラグですが、防水性能を追加したもので今の所大手メーカーとしてはUEしか使っていません。
(αデシベルという補聴器メーカーがこれを埋まりこみで使用しているらしいですね。
UEでは埋まり無しで上記変換アダプタの使用は可能なのですが、埋まりこみ有りの環境ではお使いいただく事ができません)
UEはプラグを作ってきちんと伸ばしていってくれるのでありがたいのです。新規格をじゃんじゃん作ってしまう日本メーカーは見習ってほしい所でもあります。
UEで以前まで使われていたプラグ側埋まりこみの2ピンプラグも、qdcが採用し、UEはここから抜けてIPXに移行しましたね。

ありがとうございました。

 

極短変換アダプタでヘッドホン・イヤホン側2極のもの(アクリル形成のあるもの)は現在の所左右で製作費9000円、アクリル形成のないものは製作費8000円、部品代別途で製作させていただいております。