Eme Audio H-300 MMCX化

Eme Audio H-300のMMCX化のご依頼をいただきました。

同イヤホン、試聴させていただきましたがなかなか高音質でしたね。Webサイトには・広空間音場・高解像度・妖艶な高域・楽曲がキラキラ輝く・全帯域バランスの妙・楽曲を奏でる表現者・・と記述が有りましたが、DとBAのハイブリッドではAKGのK3003に似た、しっとりとした音でした。

ご依頼いただきました方、当初はこのイヤホンにMMCX変換アダプタを噛ませてMMCX化される事を想定されていました。
H-300・・というかEme Audioの殆どのイヤホンは接続に極細のDCプラグが使われています。日本では規格化されていないもので、パーツ屋などでもこれが入手できない事が殆どなもので、リケーブルもかなり大変です。純正ケーブルに付いているイヤホン側のプラグも、ボディがかなり大きく重いもので、イヤホン自体はとても良い音なのにケーブルで損をしている感じでした。

MMCX化においてはイヤホンは大抵の場合分解しなければいけません。このイヤホンも分解の必要が有りましたが、なんとかドライバー部と接続部に分解する事ができ、MMCXジャックの内蔵ができました。分解においてはなるべく傷を付けず、断線など起こさないように分解しなければいけません。これは恐怖との戦いでもあります・・
MMCXジャックはホットボンド(グルー)などは使用せず、元のDCジャックが入っていたパーツを使用して、これをアクリルにて溶着固定しています。グルーでは強度が不足、瞬間接着剤では白化が問題、エポキシは肌への攻撃性が有る為表に出る所には使用不可、UVレジンは接着性が無い、UVの当たらない所は固まらない・・など、今の所アクリル溶着を超える造形可能な接着剤はありません(ただしアクリルも接着性は無い)。アクリルは硬化後はガラスのような感じの強度を持っており、かなり強力な造形が可能です。

MMCX化するとケーブルの選択肢がかなり広がりますね。H-300であれば1か2ぐらいの選択肢が100ぐらいになったような感じですかね・・
さらに楽しいイヤホンになりました。

 

ありがとうございました。