Fostex T20RPmk3n 3.5mm4極ストレート出し GND分離化
Fostex T20RP mk2n GND分離化のご依頼をいただきました。
同シリーズのヘッドホン、やはり色々な意味で鳴らしにくいのだと思います。
今まで数件、GND分離化などのご依頼をいただきましたが、どちら様も同じように鳴らしにくいと言われていました。この「色々な意味」の中には、リケーブルが存在しないという事も多く在ると思います。
今回のご依頼も、当初はヘッドホンのGND分離化と同時に専用ケーブルの製作か、3.5mm4極をL型に変換するだけのプラグアダプタを同時にご注文いただくか・・となっていたのですが、やはりコストを気にされていました。
E4UAでは多くのお客様からご注文をいただいており、常にノウハウが溜まっていっています。今回は同じヘッドホンではありませんが、過去にいただいたご依頼から、ヘッドホン筐体に穴を開けて3.5mm4極ジャックのストレート出しを提案させていただきました。
ストレート出しにする事で、市販の多くのケーブルが使用可能になります。例えばMDR-1A用ケーブルでしたらE4UAでも製作はできますし、また市販のものも安価なものから高価なものまで、かなり種類も多いでしょう。
改造において、通常のケーブル穴はアクリル樹脂で封鎖しました。
また使用した3.5mm4極ジャックは信頼のおけるマル信製を使用、鍔部分を切削して棒状にして、ケーブル穴を封鎖したアクリル樹脂で同時に固定を行っています。
お写真とご感想をいただきました。
一昨日改造依頼していたヘッドホンが到着しました。
到着からまだあまり時間が空いておらずじっくりと聴き込むことはできていませんが、2時間程度使用した感じを述べたいと思います。
ヘッドホンの出来上がりについては、ストレート出しで3.5mm4極化していただいたことでL字のケーブルやバランスケーブルのみならずストレートケーブルや通常のシングルエンドのケーブルを流用することができることに満足しております。
そして何よりストレート出しにも関わらず外観の違和感のなさ、耐久性、精巧さに驚いております。
音質面ではDAPはPLENUEs、ケーブルは銀系のバランスケーブルを使用して比較させていただきました。
総じて感じたのはバランス化による分離感の向上と定位がよりはっきりとしたことです。
元々T20RPは定位が他のモニターヘッドホンと比べて分かりにくいのですが、驚くほど定位感が向上し、ジャズセッションやオーケストラなどでは奏者の大体の位置まで把握できるようになった気がします。
また、音場の広がりもやはりシングルエンドよりずば抜けて良くなり素晴らしいです。
そして、DAPの高出力のバランス接続端子を利用できるようになったため、中低域の安定感を得ることができました。それに伴いヘッドホンの音のまとまりも全体的に向上され、とても満足しています。
この度は改造を請け負っていただきありがとうございました。
予想を超える完成度の高さに驚きました。
今ではT60RPというセミオープン ウッドハウジング・GND分離ストレート出しのモデルも発売されましたが、ドライバが同じT20・T40・T50のRPシリーズの黒の雰囲気がお好きな方もおられるでしょう。
ストレート出しはリケーブルで可能性が広がる改造です。今回もDAPやケーブルを入れ替え、お好みの音を手に入れていただく事ができたようです。
ありがとうございました。