Etymotic Research ER-4S用 OPPO HA-2 GND分離ケーブル Belden1804A 120cm ブラック “00H”
Etymotic Research ER–4Sは、既に発売から10年以上同じ形状と音質で受け継がれてきたイヤホンですね。補聴器を除いた民生用でBA1基のイヤホンとしては最古参の部類ですが、その精緻な音と慣れれば快適な装用感でファンの人は増え続けているのでしょう。
今回はそんなER-4S用ケーブルを、OPPO HA-2でGND分離接続が可能なようにアンプ側4極での製作でした。
線材はBelden1804A 銀メッキOFC 芯線の太さは28AWG(約0.08sq)でヘッドホン・イヤホン用としては最小サイズに近い所です。ですが銀メッキにより低抵抗を実現しており、音の淀みは感じられません。今回はこのBelden1804Aを芯のみとして使用し、編組チューブでまとめました。Belden1804Aは編組シールドと薄めで柔らかめのジャケットのある線材ですが、やはり編組シールドは金属ですので少し重量が有り、また捻れ耐性が高いです。これを芯のみにしてやると、とても軽くよく曲がる芯線が出てきます。芯線のみではバラけてしまいますので編組チューブに入れてやり、ケーブルとします。ブラックの外装は純正ケーブルのように気にならず使っていただける事でしょう。
ER-4Sは負荷抵抗が純正ケーブルでは分岐部に内蔵されています。これはBA(バランスド・アーマチュア)という極小のスピーカーのインピーダンスがかなり低い為で、負荷抵抗を入れないとアンプの負荷が重すぎて正常に鳴らす事ができないからです。殆どのBAはインピーダンスが数Ωと、普通のラウドスピーカーと同じかそれより低いぐらいの値です。例えばカーオーディオの世界ではウーハーを0.5Ωで駆動する事も今では普通になってきましたが、それでも数台のウーハーを並列にしてドライブするような特殊な使い方をする時のみで、殆どのカーオーディオ用スピーカーは4Ωが標準です。BAの数Ωのインピーダンスはこれに匹敵するほどの低インピーダンスで、大抵のポータブル機器のアンプはこの低さのインピーダンスに対応していません。ですのでER-4Sでは100Ωの抵抗が、ER-4Pは24Ωの抵抗が分岐部に内蔵されており、これとBA本体のインピーダンスを合わせてER-4Sでは約100Ω、ER-4Pでは27Ωが公称インピーダンスになっています。
ヘッドホン側プラグは今では専用品が販売されていますので、今回このプラグ軸部分のみを使用しボディはパテ形成しています。E4UAではこのパテ形成プラグの内部に負荷抵抗を内蔵し、分岐部で線材を継ぐ事をしていません。これにより接続部での抵抗の増加を無くし、またケーブルをスマートなものにしています。抵抗器はBispa LGMFS25 100Ωを使用しています。また左右の識別は右側のプラグのみに赤色の識別子を配し、これをUVレジンでコーティングしています。プラグが右側のみ少し太くなっていますので、慣れていただければ指で触るだけで左右の識別ができるようになる、ユニバーサルデザインとしました。
アンプ側プラグは4極プラグ軸のみで、パテ形成したボディにされました。通常の自作用プラグはプラグボディが別体となっていて、これをねじこんだりして完成形としますが、やはりネジ切りなどで少し太くなってしまいます。パテ形成プラグはそういった事をせず全てモールディングで形成しますので極細で製作する事ができ、また軽量に造る事ができます。今回は直径約6㎜とかなり細いプラグで、少し窪みを持たせたデザインにしました。極細ですがプラグの抜き差しでも指が窪みに馴染み、扱いやすいプラグになっています。
ご感想をいただきました。
これまで使っていたAvenger S (EE-1)と比べて一皮むけたような解像感ですね。
線材や抵抗の違いなのか、
これまでER–4Sの純正ケーブル(断線)、ER–4S–
制作ありがとうございました。奮発した甲斐がありました。
Belden1804AはER-4Sとの相性も良いようですね。負荷抵抗のBispa LGMFSはご依頼者さまのご希望でしたが、この抵抗も高音質に一役買っていると思います。
ご感想とお写真を、Google+のページに掲載していただきましたのでリンクさせていただきます。
ありがとうございました。
Etymotic Research ER–4S用 OPPO HA-2 GND分離ケーブル 120cm 分岐長40cm
商品代 15136円(価格は製作当時のものです)