JH Audio Layla用バランスケーブル Belden1804A 120cm ワインレッド

JH Audio Layla用リケーブル製作のご依頼をいただきました。

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JH Audio Laylaはバランスドアーマチュアを片側12ドライバ搭載した、いわばモンスターとも言えるIEMですね。ドライバの数はRoxanneと同じですがRoxanne Universal FitやAKR03を経て、またAstell & Kernとのコラボレーションのまま、LaylaとAngieという2機種で発売されました。Laylaはスタジオマスタリング用途に開発されたらしいですが、スピーカーではなくヘッドホンでマスタリングしても違和感の無いように、低域調整ダイヤルを最低の位置に合わせた時にフラットになるように設計されているらしいですね。

Roxanne Layla Angieに付属のケーブルは柔らかいのですが若干雰囲気がごわごわしており、また芯線は銀メッキ錦糸線(スピーカーのボイスコイルに使われる可撓性の高い線材)が使われています。錦糸線はとても柔らかくヘッドホン用のケーブルとしては良さそうなのですが、内部で複雑にアラミド繊維と芯線(銅箔線)が織り込まれており迷走電流が多く特性があまりよく有りません。スピーカーでしたらターミナルからボイスコイルに到達するまでの数cmの距離ですから音の良し悪しは無視できそうな所が、ヘッドホン用のケーブルとして使用するとその距離は100cm以上になり、またスピーカーより微弱な電流しか流せないヘッドホンで、耳横-1cmで聴くようなIEM用のケーブルですから、線材の質は音にかなり関わってきます。

今回は線材をBelden1804A(芯のみ)とし全長120cm、分岐長35cm、スライダー有りでご注文いただきました。Belden1804Aは銀メッキOFC線が使われており、芯のみにするととても柔らかく軽いケーブルができます。ワインレッドの編組チューブでまとめましたがLaylaのフェイスプレートベゼルの焼き入れチタンの雰囲気とも合いそうです。

E4UAではプラグそのものを製造する技能はほぼ無いですが、他ではあまりやらないプラグを手作業によって製作する事があります。このLayla用ケーブ ルのヘッドホン側プラグもその一つで、純正ケーブルにある低域調整ダイヤルをヘッドホン側プラグに搭載し、 ボディをアクリル形成しています。こうする事で片側4芯もの線材ではなく普通の2芯の線材を使う事ができ、線材の選択肢がぐっと広がります。プラグ内部は 極小空間で、左右で鏡面の状態なので作業はとても細かく難しいのですがプラグ内部の配線は全て銀線を使用し、エポキシで封入しています。肌に触れる部分に エポキシは有りませんので安心してお使いいただけます。

アンプ側プラグはNobunaga Labs NLP-02Bや中村製作所 NP-254もお薦めさせていただいたのですが、風貌があまりお好みではないそうで標準在庫ではありませんがVenture Craft BP-254Bを使用しました。プラグボディが長いですので、横方向にケーブルが引っ張られた時にかかるプラグ軸への力はNLP-02BやNP-254などよりも大きくなってしまう旨をお伝えしています。

ありがとうございました。

 

JH4ピンケーブル 2.5mm4極バランス 120cm 耳かけワイヤー有り 分岐長35cm スライダー有り
 線材:Belden1804A 820円/m x1.2 984円
 外装:ナイロン編組チューブ 100円/m x1.6 160円 (ワインレッド)
 ヘッドホン側:JH4ピンプラグ 6500円
 ヘッドホン側:半固定抵抗 TOCOS 100Ω 80円 x2 160円
 アンプ側:2.5mm4極 VentureCraft BP-254B 3996円
 その他:収縮チューブ、アクリル等 500円
  部品代合計 12300円
  製作費 x2.5 23260円 (BP-254Bを1000円として換算)
商品代 35560円(価格は製作当時のものです)