SHURE SE846用 Ratoc式バランスケーブル Belden1804A 114cm ガラス/ニッケル
SHURE SE846用ケーブル製作のご依頼をいただきました。
SHURE SE846 インイヤーシリーズの最上級モデルですね。
端正な音を鳴らし、また遮音性も高いので電車に揺られる方にもファンが多いようです。
今回のご依頼では何点か新しくやってみた事があります。順にご紹介させていただきます。
まず線材ですが、これはBelden1804Aを芯のみとした、軽く柔らかく使いやすいものです。
銀メッキの音は好みが別れる所ですが、ご依頼者さまは「シンバルの音が澄み渡る」という事で銀メッキ線がお好みのようでした。これに外装として、新種のニッケルメッキ銅線/ガラス編組チューブに通した上で、高透明収縮チューブ(スミチューブV)で毛羽立ちを抑えるという「多少の重量増より高音質」を取ったケーブルができました。また編組チューブの上から透明の収縮チューブで押さえている事でタッチノイズの低減もできたようです。
ケーブルブーツ、分岐部も全て透明の収縮チューブを使用し、限りなく色の無いケーブルにしてみました。
ヘッドホン側プラグは削り出しアクリル形成プラグでワンピース構造と言うか、ムクです。右側のみクリアレッドに調色したものを使用し、視認性を高めています。またプラグ自体のサイズは純正のそれよりも小さくまた短く、ヘッドホンを耳へ装着する時の自由度を高めています。形状記憶ワイヤーは銅UEW線で、磁性体を排除しました。
(SHUREの純正のプラグ部と並べて写真を撮ってみました。)
アンプ側プラグはRatoc式ですので2.5mmモノラルプラグが標準ですが、金メッキよりも銀やロジウムのメッキがお好みのようでステレオプラグでも代用できる事からオヤイデ P-2.5SRを使用し、高域特性を上げています。ご依頼者さまは「金メッキよりも音がすっきりしている」との事で・・ほんの微妙な音の変化も感じ取れるとても良いお耳を持たれているようです。これははっきり言って羨ましい所です・・ アンプ側プラグの左/右の識別は、プラグボディのナーリングの意匠のセンター部に収縮チューブで白/赤により行っています。この隙間はオヤイデの思想でいけば指のすべり止めなのだと思うのですが、このように極短い収縮チューブを入れるスペースにもなり、良いデザインだと思います。
ありがとうございました。
SHURE SE846用 Ratoc式バランスケーブル 114cm
アンプ側分岐長10cm ヘッドホン側分岐長50cm 形状記憶ワイヤー6cm
線材:Belden1804A(芯のみ)
外装:ニッケル銅線/ガラス編組チューブ
外装:高透明収縮チューブ スミチューブV
ヘッドホン側:MMCXプラグ軸のみ アクリル形成ボディ
アンプ側:2.5mm3極 オヤイデ P-2.5SR
商品代 18984円(価格は当時のものです)