3.5mm3極x2 – XLR3極プラグx2 変換ケーブル ブラック&メタリック & 3.5mm3極 – 6.3mm3極プラグ 変換ケーブル リフレクト・ブラック Mogami2799デュアルモノラル *Numberd

3.5mm3極プラグx2(PHA-3アサイン)をXLR3極プラグx2に変換するケーブル
3.5mm3極プラグを6.3mm3極プラグに変換するケーブル
2種類の変換・延長ケーブル製作のご依頼をいただきました。

ご依頼いただきました方は最近ラックスマンのp-750uを購入されたそうで、今まではSONY PHA-3に専用バランスケーブルで接続されていた所、p-750uのXLR3極プラグx2の接続方法に変更し、もう少しケーブル長を長くして使いやすくという所と、普段聴かれている音楽をさらに楽しめるようにケーブルでの味付けを考えられて、ご依頼いただいたものです。

普段はクラシックのオーケストラをお聴きだそうで、いただいたメールには

”録音時に奏者が込めた倍音が可能な限り再現されていること、奏者同士がホールで再現した音の混ざり具合いがきちんと再現されていること、それが、ホール2階席の前列やホール1階席の中央で聴けていイメージが理想です。ですので、解像度の方はほとんど重視していません。” (原文まま)

と書かれていました。
ヘッドホンで聴いている時はこのような感じを目指してシステムの調整をされているそうで、やはり音楽の聴き方は千差万別、人それぞれあるんだなーと感じました。

奏者が込めた倍音が可能な限り再現されている事・・ここから私がお勧めできるのは、MogamiのNeglex OFCです。
線材メーカーの方は本当に幾通りもの組み合わせを実験されて、良いものを世の中に産み落としてくれるのですが、私もそのNeglex OFCに出会い、CPの高さと音の良さを感じてE4UA標準の線材とさせていただいているものです。
今回はそのNeglex OFCが使われた線材の中で、E4UAで最も使用量の多いMogami2799を、バランスケーブルでは片チャンネルに1芯、シングルエンドでも左右に1本ずつ使用しました。
Mogami2799はカッド(4芯ツイスト)+シールドの線材ですが、ジャケット(最外層)とシールドを切除した後ナイロン編組チューブに通線しています。
ヘッドホンケーブルは低インピーダンス伝送であり、シールドはほぼ無意味か、環境が違えば悪影響を及ぼす事もあるものです。いくつかのケーブルで実験してみた所、シールドが有ると音が詰まったような印象を受ける事が有りました。シールドをGNDから切断してやるとこれが晴れて詰まり感が取れたのです。
シールドを切除してナイロン編組チューブに通線する事でとても柔らかく、またカッド伝送の良い所を享受しやすいケーブルができます。
カッドの4芯は対角上で結線し、Hot側とCold側の2芯の線材として使用します。こうする事で特に差動伝送(バランス接続)時は電磁誘導によるノイズの遮断効果が生まれ、S/N比の高いケーブルができます。シングルエンド接続時は差動伝送ではないのでこの電磁誘導は働きにくいですが、それでもGNDが強化され安定伝送に寄与します。

余談ですが
カッド
カッドと書いていますが、これは英語で書くとQuadです。
発音上はクァッドですが日本でカタカナで書くとカッドと書くのが昔からのようで、E4UAでもそれに倣っています。
スターカッドという単語をどこかで見られた方もあるかもしれません。星型4芯の意味で、4芯が同じ方向にツイストされた線材を指します。
スターガットとかスタッカードと書いている所もありますがこれは間違いですね・・STARGETはELNAのコンデンサ、スタッカードは重ねられるという意味になります・・?

ケーブル長は、当初は50cm程度有れば十分とお考えでしたが、音色をさらにご要望に合ったものにする為、100cmでの製作とさせていただきました。
バランス接続用に使用したプラグ類はヘッドホン側にはオヤイデ J-3.5SRを、アンプ側にはNEUTRIK NC3MXX-HEを使用しました。J-3.5SRのベリクロムメッキのボディとアンプ側プラグのボディの雰囲気を合わせたもので、NC3MXX-HEのシルキーなシルバーが有る事でケーブル外装のブラック&メタリックが映えすぎず、全体の雰囲気は落ち着いたものになったのが印象的でした。
シングルエンド延長用に使用したプラグ類はヘッドホン側は上と同じくオヤイデ J-3.5SR、アンプ側はNEUTRIK NP3X-Bです。ヘッドホン側は同じものですがアンプ側はNP3X-Bで黒ボディとなり、外装をメタリックではなくリフレクトのブラックにされる事でケーブルが浮いてしまう事も無くなり、こちらも良い雰囲気のチョイスをしていただけました。

 

お写真と長文のご感想をいただいています。


(1)3.5mm3極x2
①ゼンハイザー650
ヴェルディのリゴレットのとある音源を聴いたところ、声楽陣を含め、撫でてあげたくなるような愛おしい音を奏ではじめました。
モーツァルトのオーボエ協奏曲ではオーボエの丸い音色が出色。
音源によっては素っ気ない音も奏ではしますが、概して濃密でふくよかないい音を奏でてくれます。

②JVC HA-SW01 
特にこじんまりとしたオーケストラや小編成のアンサンブルとの相性がよいようです。
かといって大編成のオーケストラでも悪くはなく、音場が狭くなるものの、こちらも聴いていて楽しい。
オーケストラでのヴィオラやチェロ等の中音域に存在感と艶が増しています。
金管5重奏のとある音源ではあたかも奏者の隣で一緒に吹いているのかと錯覚するほど。
わたしはHA-SW01は好きですよ。

③SONY mdr‐z7
ブルックナーの交響曲のとある音源では、トランペットが響きも倍音もない薄っぺらいつぶれた音で、奏者がバテバテで気合を振り絞って吹いているのだろうかという感じでしたが、音量を小さく絞って聴いてみると、NHKホールの一番最上階の最後方で聴いているかのような全体の響きになり、これはこれで悪くない。
一方でベルリオーズの幻想交響曲のとある音源では、サントリーホールの前列で聴いているかのような音圧と響きになりますが、オケの奏者の座席が突如いい加減になるときがあり、コルネットのソロがなぜこの配置(場所)から浮き上がってくる?
ということもあります。
音源に忠実なのでしょうか…。
森の奥にいるかのような深い響きを感じさせてくれる場面もあり、これも面白いヘッドフォンです。

④JVC HA-FX1100
SU-AX01でバランス化したときは、音のふくよかさや低音が薄れてしまって全体がシャープになってしまい今一つ感があり、バランス化はお蔵入りしていたのですが、今回試しにバランス化したところ、音のふくよかさや低音に膨らみが増して、大変驚きました。
この程度の音楽の鳴り方が実は一番リラックスして音楽を聴けて好きだったりします。

(2)3.5mm3極 – 6.3mm3極プラグ 変換延長ケーブル
①ファイナルPiano Forte VIIIは、特に高音が幾分耳に刺さる感じがあって聴き疲れしていたのですが、それが和らいだ印象。
ブラームスの交響曲のとある音源を聴いたところ、オーケストラの響きや弦楽器を中心とした美しさが申し分ない。クラリネットも美しい。
ブラスバンド(金管バンド)のとある音源でもいい音のまとまりで塊り感もがあり好感触です。
特に、テナーホーンといったブラスバンド特有の楽器に存在感が出たのはこの組み合わせだけでした。
一方で、あるオケの曲ではヴァイオリンセクションが相当前面に出てしまい、いったい何プルトあるのかとの感じを受けますし、行進曲などではスネアやシンバル、トライアングルがちょっと耳に障る場面も。
でも、魅力的な音を奏でる仕掛けで手放せないんですよ。

②JVC HA-FW01
SU-AX01と純正ケーブルのバランス化は申し分なく不満なかったところ。
しかしながら、3.5mm3極x2で750uとの組み合わでせはいまいち…。
一方で、こちらで接続してみると、バッハのとある音源では特に木管製フルートやリコーダーがとてもいい鳴りをしており、チェンバロの音も好みです。

同じ音源にもかかわらず、仕掛けによって聴こえ方が全く違うということ、
そして、同じ仕掛けであっても曲や音源、収録の仕方によって聴こえが全く違ってっくるということをあらためて痛感したところです。ケーブルは奥が深すぎます。
これからさらに音もこなれていくのでしょう。
とても楽しみです。

あらためて、見た目も、仕上げも含め、素敵な作品をいただき感謝しております。

今回いただきましたご感想は、依頼者さまより掲載時には適宜カットしてくれと承っていたのですが、折角お時間を割いて書いていただいた文章を、短くする事は私にはできませんでした。聴いた音を文章にするのはとても難しく、時間のかかる事だからです。
今回のケーブルをお使いいただき、お持ちの多くの音源の中から合う組み合わせを探求していただいたのが良く分かります。
ケーブルは奥が深いです・・

また後日には以下のようなご感想をいただきました。

その後、電源まわりを、LUXMAN – JPA-15000と
チクマPS-23DBを加えたところ、
より一層素晴らしい音に代わりました。
ケーブルだけでなく、電源まわりも大事と痛感した次第です。

倍音や音の混ざり具合については、
マイクの場所や本数等の収録状況や編集方針により限界があるのを割り引いても
いずれの仕掛けであっても、オーディオで楽しむ分には申し分ありません。
響きや空気感がより一層表現されるようになったため、
例えば、音源や仕掛けによっては、
オーケストラが音を出す一拍前の「ため」や、
指揮者の踏み込みに応えようとする直前の奏者たちの気まで伝わってきたような錯覚を受けましたし、
あるいは、コントラバスファゴットは会場で聴くと、
「音」というよりもビリビリした空気の振動の方が伝わりやすい場面が多いのですが、
その空気の振動が感じられる場面があったことにも驚いたところです。
このような響きや空気感のおかげか、
ファイナルのイヤホンについては高音の刺さりが気にならなくなりましたし、
他のヘッドフォンたちも一回り表現が増したようです。

総じて、どの仕掛けであっても、線が細かったのが、
ふくよかな響きをまとった芯のある音になったような感じになりました。
決してイヤホンやヘッドフォンたちは悪くなかった、ということです。

久々にゼンハイザー800sと純正ケーブルのバランス化の仕掛けを聴いたのですが、
ホールにただよう響きや空気感という点で物足りなさを覚えたところです。
これもケーブルをかえたら表情がかわるのでしょうね。

なんといいますか、
ヘッドフォンの販売価格と個人が求める満足感や相性は比例するとは限らないような気がした次第です。

音の世界では特に、価格と満足感は比例しないようですね・・
それはやはり、人間の感覚器官である「耳」が最終目的地である以上、これからも変わらない所であり続けるような気がします。
データには違いは無いが聴いた音は違うように感じるのが、リケーブルの楽しさでもあります。
楽しさをより深められるアイテムをお届けする事ができたようで、なによりでした。

ありがとうございました。

 

 

3.5mm3極x2(PHA-3) – XLR3極プラグx2 変換延長ケーブル 100cm
ヘッドホン側分岐長6cm
アンプ側分岐長10cm
E4プレート・シリアルナンバー有
線材:Mogami2799 デュアルモノラル
外装:ナイロン編組チューブ  (ブラック&メタリック)
ヘッドホン側:3.5mm3極ジャック オヤイデ J-3.5SR
アンプ側:XLR3極 NEUTRIK NC3MXX-HE
商品代 18045円 (価格は製作当時のものです)

3.5mm3極 – 6.3mm3極プラグ 変換延長ケーブル 100cm
E4プレート・シリアルナンバー有
線材:Mogami2799 デュアルモノラル
外装:ナイロン編組チューブ  (リフレクト・ブラック)
ヘッドホン側:3.5mm3極ジャック オヤイデ J-3.5SR
アンプ側:6.3mm3極 NEUTRIK NP3X-B
商品代 11100円 (価格は製作当時のものです)