AKG K712 Pro 3.5mm3極 両出しデタッチャブル化 専用バランスケーブル製作 Belden1804A オレンジ

AKG K712 Proの両出しデタッチャブル化のご依頼をいただきました。

K712 Proは2013年の発売ですか。結構長くモデルチェンジされていないのですね。
ご依頼いただきました方は、発売当初に同ヘッドホンを購入されたそうですが、最近は片側が内部で断線してしまった事もあり、あまり使われていなかったそうです。
ですが愛着のあるヘッドホンですし、そのまま使わないのは勿体ないと考えられ、断線修理をするぐらいなら両出しデタッチャブル化を・・と考えられて、E4UAを探していただけたようです。

AKGのこの風貌のヘッドホンは、ほんとずっと雰囲気が変わらないですね。
過去にはK701の両出しデタッチャブル化や、K612 Proの片出しデタッチャブル化などのご依頼をいただいておりますが、K712 Proの両出しデタッチャブル化のご依頼は初めてです。
内部構造的には他のAKGのこのスタイルのヘッドホンと共通で分解方法も似ていますが、穴の開いたドーム状のパーツを外すのが難しい以外は分解自体比較的簡単です。
分解した先にはデタッチャブル化改修として3.5mmジャックの固定があるのですが、K712Proは元々片出しデタッチャブル式のヘッドホンです。元々のMiniXLR3極ジャックの有った所に3.5mmジャックを搭載する事は比較的簡単ですが、その逆側には何も無い為、ここに3.5mmジャックを搭載するのは結構難しいです。
具体的な作業手順は省きますが、パーツが当たらないぎりぎりの位置に3.5mmジャックを搭載する必要が有る為、内部はアクリルの盛りつけとフレームの削りを多用してパーツをかわしています。
断線箇所はヘッドバンドに行く所でしたので、今回の改修でヘッドバンドに電流を流す事も無くなりますし、そのまま半田を除去してデタッチャブル化を行いました。

出来上がりの風景はK701を両出しデタッチャブル化した時と同じような感じになりました。
今回は内部配線に、ごく短い距離ですがオヤイデ 4N純銀撚り線を使用、よく見ると内部にその姿が見えます。

また専用ケーブル製作のご依頼もいただきました。

線材にはBelden1804Aを使用、オレンジのナイロン編組チューブ仕上げとし、ヘッドホン側にはPailiccs段無しプラグ、アンプ側はXLR4極でNEUTRIK製を使用しました。
カーボンリングの意匠の入ったYスプリッターbも使用し、雰囲気を締めています。

 

お写真とご感想をいただきました。

6年以上使用していた愛着あるヘッドホンを無事復活させることができ
丁寧に仕上げて頂きありがとうございます。
捨てずにとっておいて本当に良かったです。

早速購入しておいたアンプと繋いで音を楽しんでおります。
左右のバランス、音の広がりと クリアが以前より格段に良くなっていました。
こんなに音出てたかなぁ!?とすぐにわかるレベルでした
リケーブルもしやすい形状にしていただいたので
他のリケーブル品やアンプのグレードアップに合わせて
今後も楽しんで行けたらと思います。

AKGのこのスタイルのヘッドホンは断線が起こりやすいですが、それさえ修理してやれば長く使えるモデルだと思います。
今回はデタッチャブル化のご依頼もいただけましたので、さらに道は開けましたね。3.5mm3極プラグx2のケーブルは一般的なものですし、アサインもSONYアサインにしていますので多くの市販ケーブル(例えばSONY MDR-Z1R用やbeyerdynamicの2nd Generation用)もそのままお使いいただけるようになりました。
仕上がり・出音、どちらにもご満足いただけましたようですし、なによりでした。

ありがとうございました。