UE 11Pro用ケーブル Belden1804A(core) 120cm

UE 11Pro用ケーブル製作のご依頼をいただきました。

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E4UAでは初めての製作となる、UE Proシリーズ用ケーブルです。
それもお客様のご要望により、普段あまりやらない収縮チューブ仕上げでの製作でした。
プラグ形状は同じですので他のProシリーズでも使っていただけますし、Reference Monitorでも同じように使っていただけます。

線材はBelden1804Aを芯のみ使用し、超軽量のケーブルに仕上がっています。Belden1804Aの芯線はPVC被覆です。収縮チューブとの相性はあまり良くありません。収縮チューブを熱した時にPVCと融合してしまい、硬いケーブルができてしまいます。これを阻止する為、ケーブルを収縮チューブに通す前にタルクパウダーを収縮チューブの中に入れておき、芯線を通して収縮させています。こうする事で収縮チューブと芯線の被覆が融合する事なく、またタルクパウダーの滑り効果で柔らかいまま、永く使っていただけます。
このタルクパウダーを忍び込ませる方法は、キャブタイヤケーブルからヒントを得ています。と言うかそのままですが。キャブタイヤケーブルは柔らかい電源用ケーブルで、巻いたり伸ばしたりを何度も繰り返し行っても大丈夫な造りになっています。この柔らかさは内部の芯線とジャケットが幾度と無く擦れ合っても、また夏のクソ暑いハードな環境であってもくっついたりしない構造である必要が有ります。マイクケーブルなどではシールドがあったり、シールドとジャケットの間にコットンやペーパーの介在が設けられているものもありますが、これが滑りを産んで柔らかくする役割を担っています。ですがオーディオ用でもないキャブタイヤケーブルにはシールドなど必要有りませんし、ペーパー介在などでは屋外の湿度の高い環境では浸透して内部が湿ってしまう原因にもなりかねません。ですのでタルクパウダーで芯線とジャケットを滑らせてやるのは価格を抑える為にも、またキャブタイヤケーブルの使用風景では最適であると言えます。今回の用途では軽量化と柔らかさを同時に得られる方法として最適でした。
高価な電源ケーブルであるBelden19364などにはアルミラップシールドとコットンロープの介在が有りますが、普通のキャブタイヤケーブルと比べるとかなり硬いケーブルになっています。
ヘッドホン側プラグは透明で涼しげなUE Proシリーズ専用プラグ(プラグ側埋まり込み)を使用しています。Belden1804Aの青と白の芯線がほんの少し見えています。プラグ内部は形状記憶ワイヤーと共にエポキシでがっちり固めてあります。
アンプ側プラグは2.5mm4極 Viablueニコイチプラグです。Viablueが早く2.5mm4極プラグを出してくれたらいいのですが、それも無い現在ではViablueの風貌が欲しい方にはこのプラグは最良の選択であると言えます。

ありがとうございました。

 

UE 11Pro用ケーブル 120cm 分岐長42cm
 線材:Belden1804A 820円/m x1.2 984円
 外装:艶有り黒収縮チューブ 100円/m x1.6 160円
 ヘッドホン側:UE Proシリーズ用 2000円
 アンプ側:ニコイチ2.5mm4極 Viablue T6sボディ 2000円
 その他:分岐部など収縮チューブ少々 100円
  部品代合計 5244円
  製作費 x2.5 9360円(ニコイチプラグを700+400の1100円、UEプラグを1400円で換算)
商品代 14604円