SENNHEISER HD25 Amperior用両出しケーブル Mogami2799 110cm

SENNHEISER HD25 Amperior用ケーブル製作のご依頼をいただきました。

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HD25 Amperiorはポータブル機器でも音量を取りやすいインピーダンス18ΩのHD25シリーズですね。初めて採用されたアルミ削り出しヘッドホンシェルは衝撃でした。
今回ご注文いただいたのはこのAmperiorのケーブルですが、純正の片出しはちょっとやりすぎのように感じられていた方で、HD650のような両出しケーブルをご希望でした。製法的にはHD650用と殆ど同じなので製作自体は可能ですが、ヘッドホン側プラグはHD650では半分程度埋まり込むのに対して、他のHD25シリーズでもそうですがAmperiorのヘッドホンシェルを上下入れ替えても埋まり込む部分は段差より先の部分しかありません。ですのでゼンハイザープラグとして市販されているものを短く切り縮めて取り回しが悪くならないようにしています。またゼンハイザープラグに収縮チューブをつけて黒くしていますが、これには穴をあけています。両端の穴はプラグ交換時の指のひっかけ穴、もうひとつ内面に穴をあけてそれが内面である事を表す穴にしていて、それぞれがL/Rを表す色窓にもなっています。ゼンハイザープラグは黒/赤のものしか市販されておらず、そのまま使ってプラグの赤色がどばっと見えてしまうと無粋にも感じる為、隠しながらも新しい機能を付けて使いやすくする為の試みです。
線材はSENNHEISERと相性の良いMogami NEGLEX OFCが使われた2799を芯のみ使用しました。柔らかく、架橋ポリエチレン被覆は強いものですので編組チューブと相まって永くお使いいただけます。編組チューブカラーはオリーブグリーンをチョイスされました。Amperiorのシルバーボディと対照的に深く沈みながら殆ど主張しない良い色だと思います。
アンプ側プラグですが、当初はL型がいいなと思われていて、音源側とケーブルの距離が比較的多めに取れるNEUTRIK NTP3RC-Bにされたいようでしたが、私がオヤイデ P-3.5GLを推しまくりました。その推し文章がこちらです
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アンプ側3.5mmL型プラグですが、NEUTRIKとオヤイデの違いですね。総合的に見て、オヤイデの方がレベルは上です。
と言いますのも、NEUTRIKが中国にREANを作り3.5mmプラグのラインを移した頃からNEUTRIKブランドで販売している3.5mmプラグはこのNTP3RCシリーズのみになりましたが、製造も中国に移ってしまったかのような印象を持っています。軸が偏心しているものが多く、また絶縁プラスチックの充填も少なめで、プラグに段差が多いです。スマートホンやDAPなどで使用される際、小型の機器では接点がバネ式になっており飛び出し量が少ない(接点の圧が弱い)ものがありますが、NTP3RCの軸ズレの多いものでは接点が浮いてしまったりする事があります。当方で在庫しているNTP3RCシリーズは通販で大量に購入している訳ではなく店頭で1つ1つチェックして軸ズレの少ないものを選別して購入していますが、それでも稀に存在しており、プラグとジャックの相性を含めると不具合の起きやすいプラグです。オヤイデのプラグはこの点、軸の偏心も一切無く、プラグに段差も有りませんのでどのような機材でもお使いいただけます。
音質の違いですが、プラグによる音質の違いは殆ど有りません。ですが殆どと言うからには少しは有る訳で、オヤイデのプラグは高域が綺麗な印象です。対してNEUTRIKのプラグは低域が力強い印象です。
耐久性を取っても、P-3.5GLに分が有ります。NTP3RCはケーブルのチャック機構により引っ張りには強い構造をしていますが、軸の耐久性は普通のストレートタイプと同じ作り方をしていますので普通程度です。P-3.5GLはこちらも軸の作りはP-3.5Gと同じですが、前述の絶縁プラスチックの量がきちんとプラグの面まで充填されていて強度的にも優れたものになっています。P-3.5GLのケーブルチャックは金属爪で、編組チューブに絡ませた上でホットボンドと収縮チューブでガチガチに固めますので耐久性も問題有りません。
スマートホンにカバーを着けられているのでしたら、もしその段差が2mm以内でしたらP-3.5GLでも問題無く使っていただけます。逆に段の深さが2mm以内でも段部分の径が6mmより少ないとNTP3RCでも浮いてしまう事が稀にあります。
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私がP-3.5GLが好きなのがお分かりいただけたでしょうか。
NTP3RC-Bも格好は良く、また音も押し出しが強いようで良いものなのですが、どうも軸の品質はあまり良くないように思います。最近はだいぶマシになってきたようですが、少し前までのNTP3RC-Bの軸の品質はかなり落ちていましたし。他にもNTP3RCシリーズには言いたい事はあるのですが置いといて、今回はP-3.5GLにされました。

お写真とご感想をいただきました。

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この度は依頼から発送まで大変ありがとうございました。本日ケーブル受け取りました。
収縮チューブの3つ穴のお陰でスムーズにアンペリアに装着できまして、色もシックで相性も良く満足しております。
音の変化は素人なりに感じております。特に感じるのが高音がしかっり出て全体的にクリアになったように思います。
打ち込み音楽などよく聴くのですが低音に負けず高音も感じることができ気持ち良く聞けてます。
オヤイデプラグもiPhone操作を邪魔をせず満足です。それと今回一番気に入ってる点はケーブルの軽さや柔らかさに驚いてます。
ポータブルで使う際ストレス無く使えそうです。大事に使いたいと思います。

AppleがAmperiorの販売権を持ったのがよく分かる写真を送って頂けました。シルバーのヘッドホンシェルがとてもよくマッチしていると思います。そこに主張しすぎないオリーブグリーンのケーブルは丁度良いですね。
ケーブルのフィッティングも問題無く行っていただけたようですし、また音の変化も良いベクトルで感じていただけたようです。
ケーブルの軽さと柔らかさは装用感に直結しますのでいつも考えています。やはり軽く柔らかいケーブルは使いやすいですからね。

ありがとうございました。

SENNHEISER HD25 Amperior用 両出しケーブル 110cm 分岐長40cm
 線材:Mogami2799 150円/m x1.1 165円(芯のみ)
 外装:ナイロン編組チューブ 100円/m x1.5 150円(オリーブグリーン)
 ヘッドホン側:ゼンハイザープラグ ACROLINK FP-650 1200円
 アンプ側:3.5mm3極L型 オヤイデ P-3.5GL 690円
 その他:収縮チューブ等 200円
  部品代合計 2405円
  製作費 x2.5 6012円
商品代 8417円(価格は当時のものです)