QDC 2SE用 UE2ピンバランスケーブル オヤイデ4N純銀撚り線&102SSC撚り線 1:2ツイスト *Numberd
qdc 2SE用としてUE系CIEM2ピン(プラグ側埋まりこみ)ケーブル製作のご依頼をいただきました。
今回ケーブルに対してのご要望としては
・より楽しく音楽を聴きたいので、リスニング向けのチューニングが欲しい
・艶感が欲しい
・DAPは胸ポケット運用なのでケーブルは短めで、タッチノイズは出切る限り抑えたい
などでした。
全ての部分仕様をメール返信の中で十分にご検討いただいた上でお見積もりを立てさせていただき、製作にあたりました。
まず線材はACROLINKの銀メッキ7NOCCやAudioCreationのPC-Triple-Cなどお考えいただいていましたが、E4UAからはオヤイデの4N純銀撚り線と102SSC撚り線を1:2でツイストしたものをお薦めさせていただき、これに決定されました。
102SSC撚り線はシャキシャキではなくとても綺麗な音を出す線材で、これに4N純銀撚り線を1芯追加する事で高域の透明感、見通しの良さを追加しました。銅の割合が多いものですので暖かい低域を感じていただけるものです。ここから銀の割合を多くすると、よりモニタリング向けの音に振る事もできます。
ご試聴いただけるケーブルの用意が有る場合もあるのですが、今回は特にその見た目の綺麗さも重要視された上で、ご試聴いただかず決定されました。
仕上げとしては外装に透明収縮チューブなどの仕上げを行わないもので、巻き癖は付きにくいですが特に引っ掛けに弱くなってしまいますので、この点のみご注意いただいてお使いいただくようにお伝えしています。
Yスプリッターcタイプ(小型)をタッチノイズ対策として入れられています。
タッチノイズは大きく2種類に分けられます。1つは物に当たった時に鳴る「コツコツ」という音、もう1つは物と擦れた時に鳴る「シュルシュル」という音です。
コツコツという音は、ケーブルの表面が硬い事で物と当たった時に響きます。これを抑制する方法は、ケーブルの表面を柔らかくするか、ケーブルを重くするかのどちらかになります。
E4UAで外装として用意しているナイロン編組チューブは線材の当たりを柔らかくする効果が有りますのでタッチノイズの内のコツコツ音対策としては有効なものですが、今回は見た目の綺麗さを取られて線材を決定されていますのでナイロン編組チューブ仕上げにする事ができません。重くする方法は有りますが見た目をそのままに重くする方法はかなり限られてきます。
またシュルシュルという音は、衣擦れ音とも言えるもので顔を動かしたりしてケーブルが平行に動いたり、衣類側が動いたりして擦れて鳴ります。これを抑制する方法は表面を滑らかなものにするか、ケーブルクリップなどで固定するかのどちらかになります。
外装用のナイロン編組チューブの編み目は細かいですが収縮チューブ仕上げを行った時よりもこのシュルシュル音は鳴りやすいもので、この音を抑制する方法としてはあまり適しません。また今回は透明収縮チューブ仕上げもありませんので、このタッチノイズを抑制する方法としてはケーブルクリップで固定していただくのみとなりました。
当のYスプリッターcタイプは小型で軽量なもので、タッチノイズ抑制効果は薄いです。これを今回は特別に、スプリッター内に鉛を配置して重量を増やしてタッチノイズ抑制を図りました。ほんの数gの増加ですが、見た目の綺麗さと見た目からは考えられないタッチノイズの抑制効果があるものです。鉛は有害なものとして認識されていますが、重量を増やして制振効果を持たせる為には有効な手段です。施工においては鉛が一切外に出ないようにしていますので安心してお使いいただけるものになっています。
ただし・・今度はYスプリッターの表面は硬いですので、これに物が当たるとコツコツ響く事になります。特別仕様とは言えこればかりはどうしようもない所で、綺麗さとの交換条件としてお使いいただくものとしています。
ヘッドホン側プラグはUE系CIEM2ピンプラグでqdcも採用しているものです。プラグ側の埋まりこみは汗などの侵入を効果的に抑え、また確実な嵌合が得られます。この辺の安定性は後発だけあって、小型のイヤホン用プラグの中では高いものだと思います。
耳掛けワイヤーはqdcの純正ケーブルと同程度で8cmが使いやすいとの事で、これをゴールドで配置し透明収縮チューブで固定しました。
アンプ側プラグは他のケーブルで既にお使いとの事でNobunagaLabs製NLP-PRO-IS25にされました。こちらはとても高品質な軸と細身で使いやすいボディのプラグです。
E4プレートとシリアルナンバーは有りとされていましたが、ケーブル中間にこれを取り付けると取り回しが少し悪くなってしまう事を考え、今回はアンプ側プラグへの彫刻で行いました。(上の写真ではシリアルナンバーは個人情報にあたりますのでモザイク処理をしています)
ご感想をいただきました。
本日、ケーブルが届きました。
まずは、外見についてですが、とにかく綺麗な仕上がりで
非常に満足しています。
タッチノイズの発生を容認し、素のケーブルが見れるこちらの
様式にしてよかったと思いました。
リケーブル、1週間ほど通勤で使用した感想です。
音については、私の耳には以下のように感じられて非常に満足しています。
・全体的に解像度・分離感が上がって、今までは他の音に埋もれて聞こえなかった
楽器の音も聞こえるようになり、より綺麗な音で聞こえるようになりました。
・ボーカルが少し前に出てくるような感じで、また声に艶感が出るようになりました。
・バランス化のおかげで、音場が上下にも広がりました。
今回、外見を優先して、覚悟していたタッチノイズですが、そのまま使用すると、
やはり気になるレベルで発生しましたが、ケーブルクリップを使用することで、
音楽を聴いている時には、あまり気にならないレベルまで抑えられました。
今回も、見た目、音、共に満足のいくケーブルを作成して頂き、ありがとうございました。
シングルエンド(アンバランス)の純正ケーブルと、バランスエンドの比較ですので単純な比較はできないものですが、十分な、またとても良いベクトルでの変化を感じていただけました。
タッチノイズについてもケーブルクリップで固定していただく事で問題無い程度まで抑えていただく事ができたようで良かったです。
ありがとうございました。
qdc 2se用ケーブル 80cm
分岐長40cm
耳掛けワイヤー有 8cm *ゴールド
E4プレート・シリアルナンバー有
線材:オヤイデ 4N純銀撚り線&102SSC撚り線 1:2ツイスト
外装:Yスプリッターc ピンクゴールド (制振施工)
ヘッドホン側:UE系2ピンプラグ 透明
アンプ側:2.5mm4極 NobunagaLabs NLP-PRO-IS25
商品代 26780円 (価格は製作当時の物です)