Pioneer SE-Master1用バランスケーブル オヤイデAg+OCCツイスト 250cm ブラック

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Pionneer SE-Master1用ケーブル製作のご依頼をいただきました。

私もこのヘッドホンの音を聞きましたがなかなかに刺激的な音でした。ある帯域が刺さるような刺激ではなく、雰囲気を演出する刺激でしょうか。国産ハイエンドらしく、随所に叡智が埋め込まれたヘッドホンだと思います。

ケーブルをご依頼いただく前に、同ヘッドホンの接続の難しさは実機を見ており知っていましたので、純正ケーブルをお貸しいただける事を前提に製作させていただきました。少し奥まった位置にあるMMCXジャックは回転防止のロックピンがプラグ側にある構造で、SHUREのSRH1840系と似たような風貌です。ただしSRH1840のプラグは6mm足らずの太さであるのに対してSE-Master1のプラグは8mm近くの太さが有ります。回転防止機構まで入っていますので強度的には良いものなのでしょうけど、8mmの円筒を形成するのはなかなか大変です。今回は純正ケーブルをお貸しいただけてプラグのサイズを計測する事ができましたので、一番近い所でオヤイデのMMCXプラグを改造して製作する事にしました。
プラグはボディ込みの状態で、アルミ製ボディに溝を入れてそこにパテを埋め込みながらボディを延長する加工をし、収縮チューブによる径合わせと同時に艶消しブラックのボディを作成しました。ロックピンは再現できていませんが、収縮チューブでの径合わせはかなりぴったりサイズになるようにしており、純正プラグにある接続後のがたつきも無くかっちり入ります。MMCXという接続形式な以上、接点不良は高い確率で起きると思われますが純正ケーブルよりもきっちり挿入できてがたつきも無いので、ロックピン無しでも十分に長期間使っていただけるものと考えました。

線材は十分お悩みいただいた上でオヤイデAg+OCCにされました。純正ケーブルの取り回しの悪さも、今回ケーブルをご注文いただいた理由の一つです。Ag+OCCは単芯線ですので4芯をツイストする必要が有りますが、4芯をツイストして編組チューブに通した状態でも十分な柔軟性を保つ事ができる柔らかさです。先に叡智を埋め込まれたヘッドホンと記述しましたが、ケーブルの取り回しはあまり考えられていなかったようで、お貸しいただけた純正ケーブルも使い勝手はあまり良くなさそうな、太くて硬いものでした。このケーブルから考えるとAg+OCCツイストはイヤホン用ケーブルとして屋外でも十分使っていただける柔らかさですので、使い勝手はとても良くなったと考えます。

アンプ側プラグは高品質を安定して長期間使用できるNEUTRIK製XLR4極プラグ NC4MXX-Bを使用しています。今回はOPPO HA-1に接続されるとの事でしたが、バランス接続の接続形式は現在ポータブル用としてはさらに種類が増えていますが、据置用ではXLR4極プラグでの接続は簡便で確実、個人的にはこの接続形式が据置用では最良と考えます。

 

ありがとうございました。

 

Pioneer SEMaster1用ケーブル 250cm 分岐長30㎝
線材:オヤイデ Ag+OCC ツイスト
外装:ナイロン編組チューブ ブラック
ヘッドホン側:MMCX オヤイデメタルボディ改
アンプ側:XLR4極 NEUTRIK NC4MXX-B

商品代 26915円 (価格は製作当時のものです)