beyerdynamic DT1770PRO用ケーブル Mogami2534(core) 120cm ブラック
beyerdynamic DT1770PRO用ケーブル製作のご依頼をいただきました。
こちらのケーブル、2つ前の更新B&W P7用ケーブルと一緒にご注文いただいたものです。
同ヘッドホンは2015年発売の新機種で、特にスタジオユースでの音を分析的に聴く用途に開発されたモデルです。ノリや気持ちよさを排除し、中・高域の抜けの良さや楽器の定位感が追及されており、音を分析的に聴くようなヘッドホンです。
ただ、そのようなヘッドホンであってもケーブルを変えてやると音の志向性は変わります。今回ご依頼いただいた方からは、もう少し低域が欲しいとのご要望をいただき、線材はMogami2534の芯のみをお薦めさせていただきました。
Mogami2534はかなり古くからヘッドホンリケーブル用として転用されている線材です。E4UAでも初期からSENNHEISERのHD25やHD650用として何本も製作しており、ご好評をいただいているものです。音質の傾向は太い低域と艶のある中・高域で、3m程度までのケーブルであれば高域の減衰も起きずとても聴きやすい音で鳴らしてくれる線材です。今回は120㎝での製作で、DT1770PRO付属の300cmと500cmのどう考えてもスタジオ用ケーブルから、一気にポータブルユースまで考えられる全長での製作になりました。
ケーブル外装はナイロン編組チューブ仕上げとしています。Mogami2534は芯のみにすると4芯がそのままで、ナイロン編組チューブに通す事で太いながらも比較的柔らかいケーブルになります。イヤホン用途に軽量で快適なケーブルを製作するのにMogami2534は向きませんが、ヘッドホン用としては十分快適なケーブルを製作する事ができます。
ヘッドホン側プラグはITT製MiniXLRプラグを使用しています。ITTはXLRプラグの元祖、キャノン社を買収したことで普遍的な接続仕様であるキャノンコネクタを手に入れ、現在はこれの小型版であるMiniXLR(MiniCannon)コネクタも製造しています。
殆ど・・と言うか全く同じ形状でITTのロゴの無い中華製などのプラグも有りますが、2つを並べてみてみるとやはり本家の方が隅々まで”気”が行き届いた製造が成されており、E4UAでは比べて見てしまった事から良いものを使ってほしいという思いを持ち、本家のプラグを優先的に使用しています。
アンプ側プラグはこちらはドイツ製でViablue T6s(small)を使用しました。少し風変りな24Kメッキ銅製プラグ軸、アルミニウムシェル、ケーブルとプラグ軸を固定する2本のボルト、今だこれを超える重厚感のあるプラグは有りません。プラグ自体の音質比較はかなり細かい所まで聞きこまないと分からない事も多いですが、Viablue T6sの音は一言で言うと重厚感、プラグの雰囲気そのままの音です。
ご感想をいただきました。
全体的にまったり感が出たように感じます。普段はViablue EPC-2を使用しているのですが、それとは違うベクトルの変化ですね。
まったり感のモガミ、重厚感のViablueといったところでしょうか。
モガミはゆったりとリラックスしながら、Viablueは気合いをいれて、という具合に使い分けることができそうです。
EPC-2との比較をしていただけました。
Mogami2534はとても深い低域まで鳴らす事のできる線材ですので、まったりと聴いていただくにも良いのだと思います。音の粒を聞き分けるDT1770PROでまったり聴く事ができれば、これも新しい使い方として良いのではないでしょうか。
ありがとうございました。
beyerdynamic DT1770PRO用ケーブル 120cm
線材:Mogami2534(芯のみ)
外装:ナイロン編組チューブ ブラック
ヘッドホン側:MiniXLR3極 ITT M-XL-3-11L
アンプ側:3.5mm3極 Viablue T6s small
商品代 6180円 (価格は製作当時のものです)