DITA Answer MMCXデタッチャブル化 及び純正ケーブル リサイズ・MMCXプラグ取り付け・2.5mm4極化

DITA Answer 今までにTruth EditionやAnswerの銘は入っていませんがBrassなどの派生モデルも出ましたが、このスモーキープラチナのAnswerが最初だったように思います。店頭試聴の時は、ダイナミック1発でよくぞここまで表現できるなと思いました。
そんなDITAのAnswerシリーズも既に生産終了となっており、手に入れるには流通在庫か中古を買うしか方法が無いのがちょっと惜しい所ですね。

今回、このAnswerのMMCXデタッチャブル化のご依頼をいただきました。
E4UAでは基本的にイヤホンのMMCX化のご依頼はお受けしておりませんでした。過去には唯一、AKGのK3003を依頼者さまより全ての責任を放棄させていただく事を条件にMMCX化させていただきましたが、このDITA Answerも同じように全責任・・例えばデタッチャブル化において本体が使えなくなってしまうなど・・を、全て無視してよいというお言葉をいただき、製作にあたらせていただきました。

新品で購入されたAnswerでしたが既に左側ケーブルのイヤホン根本で断線ぎみのような症状が出ているとの事でした。購入されて間もなく、まだまだ保証期間内でしたがMMCX化により断線リスクからは遠ざかる事ができます。今後のメーカー修理などはできなくなるデメリットも有りますが、今回は断線知らずとなるメリットを取られました。

製作にあたっては、イヤホンを耳に装着していただいた状態でのお写真を左右いただき、ケーブルの出る向きなどを考えてMMCXジャックの向きを決定しています。今回はAnswerのノーマル状態よりもだいぶ上向き・・MMCXプラグはほぼ水平になるようにしました。これにより、MMCXプラグのサイズが少々大きなものであっても快適に耳掛け使用していただけるものになっています。
通常はケーブル出口にはプラスチックとゴムでモールドされたパーツが付いていますが、この部分を全て切除し、アクリル造形にてMMCXジャック周りを製作しています。MMCXプラグのスナップインの力にも十分耐えられるようにしています。
内部配線は純正ケーブルより拝借しています。またK3003と違い分解してのMMCX化ですので、内部配線の変更も可能です。

取り外した純正ケーブルのヘッドホン側はHUMのMMCXプラグ(GB-mmcx)を取り付けました。小型な事もあり、今回はこの小型な事が良い方向に向かわせるように思ったからです。
事前に耳掛け形状の保持は無しでそのままでよいと仕様決定をいただいていましたが、プラグ根元のケーブルブーツ部分のみ、角度を付けて耳を周りやすくさせていただきました。
アンプ側プラグはストレート部にてケーブルを全長100cm(分岐長40cmは維持)にリサイズの後、プラグボディ&ブーツと軸に分解してボディのみ再利用、軸はNobunagaLabs NLP-PRO-IS25とニコイチし、DITAのロゴ入りカーボンボディの2.5mm4極プラグを作りました。使われる時の雰囲気はそのまま、バランス接続をお楽しみいただけるようになりました。

 

お写真とご感想をいただきました。

スモーキープラチナの筐体とアクリルの黒とのコントラストが
出色であり、大変素晴らしい造形です。
過去の類例と比較しても、格段の出来ではないでしょうか。

純正ケーブルのヘッドホン側では、選定すべきMMCXプラグを決め
かねていましたが、おすすめいただいたHUMのプラグは、
質感が高くコンパクトで、適度な力で抜き差しできる良品です。
また、純正ケーブルはやや弾力があったため、使用風景を勘案し
MMCXジャックの角度調整や、ケーブルブーツの向き調整もして
いただいたとのこと。デタッチャブル前は耳かけで少し難儀して
いましたので、的確な判断だったと考えます。

アンプ側では、純正3.5mmプラグボディのカーボンファイバーが
気に入っていたため、同プラグボディを再利用した2.5mm4極軸
とのニコイチをお願いしました。これも非常によい仕上がりです。

無印Answerケーブルは、Van den Hul社のTruthケーブルのように
高解像ではないものの、分離感が程よく、滑らかな中高音の響き
とライブ会場にいるような臨場感に浸りながら、届いた商品を
気持ちよく試聴しています。

断線回避の観点から依頼した本件ですが、メーカー保証外等の
リスクを承知すれば、リケーブルという高い実用性とさらなる
愛着感を得られることがわかりました。
これは、イヤホンデタッチャブルにおけるひとつの”Answer”
あるいは”MASTERPIECE”ではないかと思います。

以前製作いただいたMMCXケーブルでの試聴結果は、またいずれ
報告させていただきます。
難しい作業だったと思われますが、本当にありがとうございました。

私もこのデタッチャブル化はE4UAなりのAnswerだと思っていましたが、MASTERPIECEの称号をいただきました。ただ、私自身が所持していないイヤホンの分解は恐怖の連続でもあります。責任を放棄させていただけたのでこの恐怖に打ち勝つ事もできました。

ありがとうございました。