beyerdynamic T1 (初代 600Ω) 3.5mm斜め出しデタッチャブル化改修・純正ケーブルプラグ加工&専用4.4mmバランスケーブル (Mogami2944) *Numberd

beyerdynamic T1 (初代 600Ω) のデタッチャブル化改修および専用バランスケーブル製作、ならびに外した純正ケーブルの再プラグ化加工のご依頼をいただきました。

T1の初代は、今なお色褪せない名機として深く愛されているモデルです。 今回は「外観の雰囲気や音色を維持したまま、4.4mmバランス接続(GND分離)へ移行し利便性を高めたい」というご要望のもと、施工方針と仕様をご相談しながら進めさせていただきました。

T1のデタッチャブル化における構造的課題と「斜め出し」の選択

初代T1をデタッチャブル化する際、技術的なポイントとなるのが「ハウジング内部のバッフル傾斜による奥行きの制限」です。

純正のケーブル出し穴をそのまま使用して直下向きにジャックを埋め込む場合、内部バッフルとの距離が非常に狭いため、使用できる3.5mmジャックが小型の普及品(マル信製など)に限られてしまいます。

今回ご相談の中で、より接点信頼性や耐久性の高いオーディオグレードジャック(オヤイデ J-3.5SR)の搭載をご希望いただきました。 そこで、内部のバッフル面を上手に回避しつつ高品質なジャックを納める手法として、「斜め出し」によるデタッチャブル加工を提案・施工いたしました。

内部配線はT1オリジナルの音色バランスを崩さないよう、そのまま純正線を流用して左右独立(GND分離)の結線を行っています。

純正ケーブルの再活用(3.5mmプラグ取り付け)

直付けケーブルを取り外してデタッチャブル化を行う際、元の純正ケーブルを無駄にせず再利用したいというご要望も多くいただきます。

今回は取り外した純正ケーブルのヘッドホン側カット面に3.5mm3極プラグ(AEC製アルミボディ)を取り付け改修いたしました。 これにより、デタッチャブル化したT1にそのまま挿し直して「いつでも純正の音を再確認できるケーブル」として活用していただけます。

専用4.4mmバランスケーブルの選定(Mogami2944)

組み合わせる専用の4.4mmバランスケーブルについては、「音質をできるだけ損なわず、取り回しと実用性を両立したい」というご要望から線材の選定を行いました。

T1初代の純正ケーブルは、Sommer Peacock_Mk2等のシールド付きツイストペア構造が採用されています(ドライバー側までシールドが落とされている特徴的な作りです)。 600Ωというハイインピーダンス駆動であっても、元の音響的特徴や静音性を引き継ぐためには「シールドが存在する構造」を維持することが一つのポイントとなります。

そこで今回は、シールド付きシグナルケーブルである Mogami2944 を選定しました。 Mogami2799(被覆を剥いた芯線のみの構造)に比べてシールド層が維持されるため、純正に近い構造的アプローチが可能となり、外装のナイロン編組チューブ仕上げとも相まって高い耐久性と程よい柔軟性を兼ね備えたケーブルに仕上がります。
(写真は、モードダイヤルがズレていたようで白黒のものしかありません)

【製作仕様まとめ】

1. ヘッドホンデタッチャブル化改修

  • ヘッドホン: beyerdynamic T1 (初代)

  • 改修方式: 3.5mm3極 両出し斜め出し加工

  • レセプタクル: オヤイデ電気 J-3.5SR ×2

  • 内部配線: 純正線流用(GND分離アサイン)

2. 取り外し純正ケーブル改修

  • ヘッドホン側: AEC 3.5mm3極 アルミボディプラグ ×2

3. 専用4.4mmバランスケーブル(1.5m)

  • 線材: Mogami2944

  • 外装: ナイロン編組チューブ(ブラック)

  • ヘッドホン側プラグ: オヤイデ電気 P-3.5G ×2

  • アンプ側プラグ: オヤイデ電気 P-4.4/5G

  • 仕様: E4プレート&シリアルナンバー刻印あり

愛着のある名機の魅力を損なうことなく、現代の再生環境(4.4mmバランス接続)へスマートに移行できる改修となりました。

ご依頼いただき、誠にありがとうございました。