Campfire Audio Cascade / SENNHEISER HD800系用 極短MMCX変換アダプタ

今までのHD800のプラグは、それがLEMO 00番プラグを模して造られたものだった為にその内部的な構造もこれを完全に模して造られていました。
LEMOプラグは安全で確実なロック機構をもったものですが、これが有るが為に内容積は小さく、使用可能なケーブルも細いものしか使えませんでした。(HD800系プラグの元になったLEMOの00番プラグはLEMOのシリーズの中で最小で、これより大きなプラグは有るのですが、元になったのがこれであり、AKGのK812などはLEMO 00番の3極版、ULTRASONEはLEMO 00番の2極版を使用しており、ハイエンドヘッドホン用プラグの接続形式としては有る程度広まってきているようです)
今では5mm径の線材まで入るサイズのプラグ(HD800用 TypeB)も有りますが、それでもプラグ軸内部の半田付けを行う周囲は直径3mm程度の空間しか無いのは変わっておらず、使用できる線材も限られてきますし、ボディは金属で大きくなってしまいますのでプラグは重く、HD800であれば問題無い所がCascadeなどのポータブルヘッドホンでは快適さに欠けるプラグでもありました。

ところで先日、HD800式プラグの新製品が入荷した記事を掲載しました。
このプラグ、プラグ軸側が今までの3.5mmや2.5mmのプラグと同じような構造になっており、単純にプラグ軸側とボディ側に分かれてプラグ軸側のみでも使用可能なものでした。
ここから考えられる事は、短いボディのプラグや変換アダプタが製作可能であるという事です。

そして、プラグを見ていたらうずうずしてきまして、変換アダプタを製作してしまいました。
それが上の写真です。
ジャックに埋まりこむ部分を除いてプラグボディと言える部分の長さはHD800用 TypeB 5mmテールプラグ(今までMMCXやCIEM2ピン変換アダプタを製作していたプラグ)の半分程度となっており、Cascadeで使用しても、MMCXプラグを合わせてTypeBプラグと同じ程度になり、かなり可搬性が高まったと感じました。
そして、少し前にPioneerからMMCXシールドJAC-CS01(B)が発売され、MMCXプラグの回転や汗・埃の侵入を効果的に抑制できるようになりました。

NobunagaLabs製MMCXプラグを今回製作したMMCX変換アダプタに接続し、JAC-CS01(B)を装着したところですが、プラグの長さ的にはCascade純正ケーブルより少し長い程度になっており、変換アダプタの長さとしては最短と考えます。
Cascadeのプラグ位置にMMCXプラグが有ると、首の回転がモロにプラグに入力されてプラグが回転する事が考えられますので、このPioneerのMMCXシールドは良い物だと思います。

今回はMMCXジャックを出さなければいけなかった為、ボディを切り詰めて内部は樹脂で硬化させましたが、ケーブルを製作する場合は今回切り詰めたボディの反対側(ケーブル出口穴が開いている方)を使用すれば、かなり短いボディのプラグも製作可能です。
Cascadeは純正ケーブルに付いているプラグの長さでは、ケーブル出口側を下に(頭から外してそのまま)置くとケーブルブーツががっつり地面にくっついてしまってケーブルに負担がかかりますが、短いボディのプラグであればそれも無くなりそうです

この新しく入荷したHD800系プラグ、部品代が高価なものでE4UAとしても大量に入荷はできなかったので、在庫が無い時も有るかもしれませんが、なるべく常時在庫とするようにしたいと思います。