SENNHEISER HD650用ケーブル オヤイデ HPC-24W V2ツイスト 360cm オリーブドラブ *Numberd

SENNHEISER HD650はHD25と並んでロングセラーヘッドホンですね。

発売は2004年との事で、HD25よりは日は浅いですがそれでも今で13年間も売られ続けているものです。そのまったり、ゆったりな音、優雅な風貌、長く在り続けるのが分かるヘッドホンですね。

今回ケーブルのご依頼をいただいた方は、普段はお家でスピーカーで”大音量で”室内楽や交響曲を聴かれているそうですが、夜間や家人がおられる時は小音量でしか聞く事ができず、それならばヘッドホンで大音響で聴きたい!との想いからHD650を購入された方です。

ご依頼の発端は、純正ケーブルではシステムからリスニングチェアまで届かない、短いとの事でした。
ただ、特にヘッドホンに過度な期待は持たれていないようでしたが、それでもご要望としては
「粒が細かく(定位、広がり、余韻、静けさがある)誇張の無い音が好み」といただきました。

線材にはかなり、十分にお悩みいただきました。
HD650ではMogami2534の使用がE4UAを含めず前例・実績が多いです。これはMogami2534自身の歴史が長い事もあると思います。方々のスタジオでも標準として使用されているMogami NEGLEX OFCの音はHD650との相性はとても良いものです。
この他にMogami2514をツイストしたものなどもお考えでしたが、私はお薦めさせていただいたのはオヤイデ HPC-24W V2 102SSCで、お住まいが近いという地元の期待も有りながらこちらにされました。
HPC-24Wと言えば元はHD800用に開発されたPCOCC-Aの線材で、HD800純正ケーブルと同じようにツイストペア+シールドの構成になっています。使用された銅はPCOCCであり、これのドンシャリ具合の生かされるツイストペア、そして取り回しの良い横巻シールドでS/N比の高いケーブル構造になっています。これがPCOCC亡き後、102SSCでVersion2となって戻ってきたのがHPC-24W V2です。
PCOCCと102SSCで銅自体が全く違うものですので、音の表情も変わりました。PCOCCのドンシャリが無くなり、硬い低域と艶の乗った中域、そして見通しの良い高域が淀み無く伝送されるものになっています。102SSCの定位の良さがツイストペア構造により崩れる事なく伝送されているのが分かるようでもあります。

また当初は400cm必要と考えられていた長さは360cmで足りるとの事でしたが、それでも300cmを超えるケーブルは長尺ケーブルと考えています。製作自体はできなくはないのですが、どうしても「重い」ケーブルになってしまいます。
HPC-24W V2はツイストペア構造で、基本的には片チャンネルに1本使用する事を前提に設計されています。横巻とは言えシールドも有る線材ですので十分に重く、屋外使用は難しい組み合わせだと思います。

アンプ側プラグはSwitchcraftの#190Aをご希望で、これにスプリングによるケーブルブーツの取り付けをご希望でした。なかなか渋い組み合わせだと思います。
E4UAでは基本的にケーブルブーツが必用な場合は収縮チューブによる形成を行っています。ポータブル用ケーブルでナイロン編組チューブによる外装形成を行う場合は収縮チューブ内装によるブーツを形成し、経年劣化によるブーツのへたりを防止しています。
ですが今回はスプリングによるブーツ形成です。Switchcraftの#190A自体が初めて手にするプラグで、そこにさらに初めてのスプリングブーツの作成となり、なかなか面白い物作り経験をさせていただきました。
丁度部品屋に行った所、なかなか太いボディの6.3mmTSプラグが投げ売りされていて、そこにスプリングのブーツが付いていたのです。これはと思い購入してHPC-24W V2をツイストしたものに合わせた所、全くのぴったりで専用設計かと思うようなものでした。ただ、Switchcraft #190Aプラグはケーブル穴は8mmまで、投げ売りされていたプラグのスプリングブーツは外径10mmで、プラグのケーブル穴をがっつり拡大化する必要が有りました。Switchcraft #190Aプラグはゴムグロメットを締め込んでチャッキングする構造が有りましたが、この部分もなんとかそのまま使用してケーブルチャックとしており、余すところなく使えたと思います。

ケーブル外装はオリーブドラブの編組チューブ仕上げとしました。オリーブドラブは軍用色でもあります。今回のSwitchcraftのプラグと相まって、プロ用機器のような、軍用機器のような、そんな雰囲気のケーブルができました。

お写真とご感想をいただきました。

外観仕上げに関してはお伝えした文章・要望が完璧にケーブルに表れていました
その丁寧な作り、ご無理を言って取り寄せて組み込んでいただいたswitchcraftのプラグ
見ているだけで楽しくなるケーブルありがとうございました。

ところで音でございますが、
当初は家人の迷惑になる場合の緊急避難的なヘッドフォーン使用目的である、sub的な位置づけ、標準ケーブルが少し短かい為に製作をお願い致しましたが、期待を裏切られてしまいました
はっきり言って音が良すぎます
ハイレゾの真空管DACをRe-clockしてクラシックを聞いているのですが
標準のケーブルは、単なる付属品でした、音域、音のつながり、粒立ち、ステージ感、何しろ定位は比較になりません、奏者があるべき位置にステージ上に固定されて動きません、すべてが上位というか比べるのも可哀想な比較でした(もちろん、価格的にも比較しては可哀想ですが・笑) 
音は、あるべき所に奏者が居て、演奏そのままの音が聞こえるとしか言いようが無いのですが
空間・ステージの広さはホールで聞いているそのものです、音の誇張・色付けはありません、
音の肌理もとても細かく、奏者の演奏がそのまま伝わってきます
小生のスピーカーでの音楽再生との格差はございません、ただ、パーカッションの音圧、ピアノの低音が部屋一杯にのたうち回る身体感覚が得られないだけです
未だに、何故こんな小さなヘッドホンの振動子でここまでの音がするのか不思議でしかたありません
これで、何時も良い音で音楽を楽しめます

とのご感想をいただきました。
また後日談として

switchcraftのプラグは見た目も頑丈そうですが、質量もずっしり有り抜き差しが非常に楽です
また、くどいようですが、スプリングでのケーブル出しの補強は見ていても楽しいもので、とても安心感があります

標準付属のケーブルに関しましては、実はあんまり書くのは控えておりましたが、(批判に思われて人格が疑われるかもしれませんので)
音の伸びが、繋がりがE4UAさんのケーブルとでは比較にならないくらい違います、丁度即席めんと生めんほど違います
後のステージ感の広さはまったく異なります。 耳もとで鳴っているのと頭の中でステージが出来上がっているほどの差があります
一番付属のケーブルで残念だったのは、定位が悪いことです、音域によって癖があるのでしょうか?奏者が音域によって移動してしまいます

今回のケーブルは丁度westernの40年代単線・ブラックエナメル・絹巻14~16awgのRCAケーブル、スピーカーケーブル、電源ケーブルに替えた時
以来の嬉しい衝撃でした。 最近re-cableという言葉ができたようですが、納得致しました

尚、線材はとても素直で音域が広い良い線材と感じております。未だ20時間程度しか聞いていませんので、若干高域に硬さがあるようですが
これもエージングと共に解消されると思います。
しかし、意外に重量があり、重量というのが意外に重要なのも体感しました
私は、リスニングチェアで聞くので問題は無いのですが、これだけの長さで重量がありますと、ちょっと
マニアと言われる変わり者でなければ扱いにくいかもしれません

とにかくしっかり作ってあり感激しております。

E4UAでケーブルや変換アダプタなどの製作のご依頼をいただき、到着のご報告やご感想をいただけた時、私は最後に「永くお使頂けますと嬉しく思います」と書いています。
物は、使ってナンボという考えでいて、また良いものは長く使う事ができると思っています。
もっともっと、良い物を作っていきたいと思います。

ありがとうございました。

SENNHEISER HD650用ケーブル 360cm
分岐長30cm
E4プレート・シリアルナンバー有
線材:オヤイデ HPC-24W_V2
外装:ナイロン編組チューブ オリーブドラブ
ヘッドホン側:ゼンハイザープラグ ACROLINK FP-650
アンプ側:6.3mmTRS Switchcraft #190A
商品代 25930円 (価格は製作当時のものです)

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