Ratoc Audio Lab REX-KEB01F 電源デカップリングコンデンサ増量、出力負荷抵抗変更改造

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以前、入力カップリングコンデンサの交換依頼をいただいた方より、今度は電源デカップリングコンデンサの変更、及び出力抵抗の変更のご依頼をいただきました。

REX-KEB01Fは入門用バランスアンプの位置づけかもしれませんが、構成部品の少なさから来る素直な音が素敵なアンプです。回路図も公開されており、ネット上にはたくさんの改造例(ボリュームの追加やカップリング・デカップリングコンデンサの変更など)が上がっています。

電源デカップリングコンデンサはノーマルの47uFから容量増+フィルムコンデンサの追加としました。コンデンサは入力カップリングコンデンサと同じニチコン KZ 100uFを2個、さらにパナソニック ECHU 0.1uFを並列に使用しています。
メインのコンデンサは、聴かれる音楽の種類から何種類かのコンデンサの音の傾向をご提案し、その中からご依頼者さまに選んでいただき、KZになったものです。またフィルムコンデンサはおまじないですが、高域の空気感の改善に役立つと考えました。
入力カップリングコンデンサの時と同じようにケース天板を抜いてコンデンサの入るスペースを作っています。こうする事で、ぎりぎりですが10㎜径のコンデンサも入ります。空いた穴は1plyのカーボンプレートで塞ぎました(写真撮り忘れ)

出力抵抗はノーマルではチップ抵抗が付いていますが、チップ抵抗で音の良いものはあまりありません。ここも音楽信号の直接の通り道ですので、種類を変えてやると音は大きく変化する場所と考えます。ここでも数種類の抵抗の中からタクマン REYを選択されました。日本製の金属皮膜抵抗で抵抗値はノーマルと同じ10Ωです。
また基板上の出力抵抗から出力ジャックに繋がる配線も、Mogami2799(芯)に変える事で十分な線径を取ることができました。

全ての素子は制振の為にホットボンドやエポキシなど接着剤で固定しています。

 

お写真とご感想をいただきました。

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アンプは不良もなくエージングが進み
想像の方向へいきました
良いご提案をありがとうございました

以前コンデンサ改修を入力だけ
やっていただいた際に低域を主として
タイトさがかなりきわだつようになり、
低域は沈みこむように好みの感じに
変化しましたが低音を多く駆使する
楽曲では少し量が足りないかなと

今回低域はタイトさを残しつつ、
少し量が増え、エネルギッシュに
(エージング前は低域は曇りぎみで
中高域にかぶるくらいブーミーです、
ただしそれでも中高域は即時向上有)
前回はドラムの一発一発がすばらしい
と感じましたがそれはそのままで、
今回はベースの音が重くなりました
ベースのソロパートのチョッパーは
弾く初動の音が上質に響きますね
…低域全般、様々な楽器が
見えるように、より魅せてくれますね

中高域は全体的にすきとおるように、
透明感と言えばよいのでしょうか、
特にピアノと女性ボーカルが美しい
ピアノはただタイトですきとおる
だけでなく低めの音階は適度に厚く重く
なるようになりました

ボーカルの透明感はエージング段階
から感じとれます、解像があがり
楽曲によってボーカルの息づかいの
部分と中高域に聞こえなかった音が…
(これは予想外でした、うれしい)

結果、古いお気に入り楽曲や、
ライブ収録楽曲で、各パート互いに
干渉して音がごちゃまぜで響いてる
残念な楽曲もみんな聞き直しですね

今回、複数提案を願い、
いくつかの改修をお願いしましたが
その音質は一点ものの良い作品に!
ありがとうございました

特にコンデンサのエージング時間は10~50時間ほどかかると予想していました。ヒートクリップで熱を逃がしながら半田付けを行いましたが、それでも熱は入ってますので。ですが、のっけからボーカルの良変化を感じていただけました。こちらは多分出力抵抗と出力線の変更で感じていただけたものと思います。

ありがとうございました。

 

Ratoc Audio Lab REX-KEB01F 改修
・出力線の変更
抵抗器 タクマンREY 10Ω
出力線 Mogami2799(芯のみ)
・電源電カップリングコン変更
ニチコンKZ 25V 100uF x2
パナソニック ECHU 0.1uF x1
商品代 4000円 (価格は製作当時のものです)